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2026 人質交換を託された女 (上巻)
第3章 囚われの身
両肩を男に掴まれ、姿勢を正されてしまう。大きな手と太い指が、顔を覆う前髪を掻き分けていた。顔を曝け出され、息が荒くなり、首を横に振る私に構わず、髪を手櫛で整え、後ろに束ねていた。毛束をギュッと握られ、やや上に引かれ、「くっ…」と声が出てしまう。

「はっ…はっ…」と短く息を吐くだけで、その場からまったく動けなくなった。胸が大きく上下し、縄の締めを胸に感じ、肩が小さく揺れてしまう。

「もう動けないだろう…ここも縛ろう…」

もうー諦めに近かった。自身の肉体に対して、まったく防御姿勢が取れないことを実感した。自身の身が危険に晒されていると気付いても、それは手遅れでしかない。両手を動かせないため、ただ1つの抵抗の証として、鏡越しに男を見つめるくらいしか出来なかった。

男がボックスから短い縄を取り出すのを、脇目で見つめた。男の手が背中を前に押し、毛束が赤い縄で螺旋状に縛られ、きっちりと結ばれていた。そして今度は束ねた後ろ髪が下に引かれていく。

「んっ…ンンッ…」
大きく首を反らされる苦しい姿勢でも、短く息を吐きながら、その責めを大人しく受け入れるしかなかった。

男の片手が髪を抑え、別の手が体の前に伸びようとしていた。

私はもうダメだ…と心の中で呟き、そのまま目を閉じた。男の手のひらが女の膨らみを柔らかく包んできた瞬間、体はビクッと大きく反応していた。
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