この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
2026 人質交換を託された女
第2章 大役
「場の状況をすぐに把握して…『せめてものお願いです…皆をお手洗いに連れて行ってあげてください…』と言ってきたぞ…」

彼女の後輩を思う気持ちは、十分に伝わっていた。たった数日でも、銀行業務の右も左も分からない私に、丁寧に教えてくれた。彼女たちの行動が長時間制限されることを想定した上で、女として妥協できないことを男たちに訴えていたのだ。

「若い順から…1人1人指名して…奥に消えていくのを…最後に自分の番が回ってくるまで…見届けていたぞ…」

口を閉じたまま深呼吸をして、その話を聞いていた。

「まさか…この場を仕切られると思わなかったがな…」

男の笑いながら話す、そのふざけた言い方に、私は相手をギッと睨んでいた。

背後から男が近付いてきた。リーダーの補佐役として、ずっと共に行動していた男だった。常に私の背後に立とうとする男だった。

「君もそうした方がいい…しばらくできないかもしれないからな…」
その声は冷静で抑揚がなかった。

そして男は私の体を後ろから押すように、女子トイレの前まで進ませた。

私は男に頷き、1人女子トイレの中に入った。すぐに鏡の前に立ち、髪を耳に掻き分けた。胸ポケットから、先程更衣室でメモ書きした紙を、鏡の前に広げて見せた。この映像を見ている先輩には、ここにきちんとメモしました、ということが伝わればいいと思った。

鏡をしばらく見つめていた。鏡の向こう側にいる大先輩に思いをはせた。すると急に先輩が読唇術に長けているということを思い出した。両手を胸に重ねて添え、声を出さず、ゆっくりと『大変役に立ちました』と口を大きく動かし、メモ書きを見せ、軽く会釈をした。そして両耳からピアスを慎重に外し、それを洗面台のテーブルに置いた。

そのまま鏡に背を向け、個室に進んでいた。課長が勇気を振り絞って勝ち取った女性的な行動を済ませた後、私は座りながらメモ書きをした紙を見つめ、小さな声で囁き、復唱していた。何度も自分に覚え込ますように。

銀行内の時計が消され、腕時計がない状況では、どれほど時間が経過したのか、正確な時間は分からなかった。
/31ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ