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2026 人質交換を託された女
第2章 大役
私は相手を自分のペースに引き込みたいため、「女性行員は…どこにいるのですか…?」と尋ねた

右耳に入れたイヤホンから何も反応がなかった。目の前の男からの反応を待っていると感じていた。

「なら…探してみるか…?」

意表を突かれた答えだった。一瞬、返す答えに戸惑ってしまう。

もう目の前の男は立ち上がっていた。テーブルに置いてあった拳銃は男の手に握られ、ズボンの後ろポケットに入れられた。

「探さないのか…?」と促され、私はゆっくりと立ち上がり、「探します…」と答え、男の後をついていく。背後にもう1人歩いていた。当然それにも気付いていた。

最初に「コンサルティング・ブース」と表記された、FP(ファイナンシャルプランナー)に個別相談できる個室の横を通り過ぎた。スモークの入ったスライド式のドアは全て開けられており、6部屋あった。その中には机上の資料が放置されていたブースもあった。彼女たちの姿はなく、誰もいなかった。

次はロビースペースだった。あまりにも咄嗟の出来事だったのだろう。長いソファーは大地震の後のように乱れていた。1人用の椅子に利用客のバッグが忘れ去れていた。中に携帯電話が入れられたままなのだろう。着信を知らせる振動音が途絶えず、揺れ続いていた。
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