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海に漂う星屑のように
第3章 海を見下ろす
☆☆☆
横浜の空が端から橙(だいだい)に染まり、そして、ゆっくりと藍に溶けていく。
透明なカーゴは、ゆっくりと100メートルの高さまで俺達を押し上げていった。
初めて乗ったわ、これ。
日没前、まだコスモクロックのイルミネーションが灯っていない時間である。街の光もホームページにあるように『宝石を散りばめた』というほどでもない。
俺と向かい合う席に、陽菜多が乗っている。
例の『雪』のマフラーは巻きっぱなしである。
頬杖をつくようにしてぼんやりと外を眺める姿は、やっぱり俺に冴えた冬の景色を思い起こさせた。
どこか、人を、寄せ付けない、
そんな気配だ。
妙にいたずらっぽく笑って、何かをねだってるときの顔、
アトラクションに目を丸くしながらも、楽しそうにはしゃぐ顔、
ゲームに向き合って、コントローラーを操作する真剣な顔・・・
俺にも気軽に話している、むしろ舐めてすらいるのか、と思うほどでもあるが・・・
やっぱりちげーな、と思う。
なんだろう、勘、みたいなもんだ。
こいつは、やっぱり『独り』なんだ。
なんとなく、そう思った。
「知ってる?」
カーゴが中程まで昇った時、彼が言った。
「何を?」
「これさ、一番てっぺんに来た時、キスすると、そのカップルは結ばれるん・・・だって」
ああ・・・なんだ、よくあるおまじない的なやつか。
学生が好きそうなヤツ。
あ・・・もしかして、こいつ・・・。
「彼女と、来たかったのか?ここ」
そう言ってしまってから、踏み込みすぎたかとちょっと後悔した。
陽菜多はそんな俺を見て、目を細めた。
そうだね・・・
そう言った瞬間、さっきまでより、更に彼が遠くに行ってしまったような気がした。
例えて言えば、まるで、見えない壁が立ちふさがったかのような、そんな感じだった。
なんだ?
今、胸の奥が、ズキっとした・・・ぞ
「あ・・・すまん・・・俺、デリカシーなかった・・・よな」
とにかく、なにか言わなきゃと思って、俺はそう言ってみた。
今のこの空気がとても居心地が悪くて、なんとかしたかったんだ。
軋んだ空気の中、俺があまりにもオタオタしたせいかもしれない。
陽菜多が、くすりと笑った。
お陰で、凍りついたような空気が、和らいだように思えた。
横浜の空が端から橙(だいだい)に染まり、そして、ゆっくりと藍に溶けていく。
透明なカーゴは、ゆっくりと100メートルの高さまで俺達を押し上げていった。
初めて乗ったわ、これ。
日没前、まだコスモクロックのイルミネーションが灯っていない時間である。街の光もホームページにあるように『宝石を散りばめた』というほどでもない。
俺と向かい合う席に、陽菜多が乗っている。
例の『雪』のマフラーは巻きっぱなしである。
頬杖をつくようにしてぼんやりと外を眺める姿は、やっぱり俺に冴えた冬の景色を思い起こさせた。
どこか、人を、寄せ付けない、
そんな気配だ。
妙にいたずらっぽく笑って、何かをねだってるときの顔、
アトラクションに目を丸くしながらも、楽しそうにはしゃぐ顔、
ゲームに向き合って、コントローラーを操作する真剣な顔・・・
俺にも気軽に話している、むしろ舐めてすらいるのか、と思うほどでもあるが・・・
やっぱりちげーな、と思う。
なんだろう、勘、みたいなもんだ。
こいつは、やっぱり『独り』なんだ。
なんとなく、そう思った。
「知ってる?」
カーゴが中程まで昇った時、彼が言った。
「何を?」
「これさ、一番てっぺんに来た時、キスすると、そのカップルは結ばれるん・・・だって」
ああ・・・なんだ、よくあるおまじない的なやつか。
学生が好きそうなヤツ。
あ・・・もしかして、こいつ・・・。
「彼女と、来たかったのか?ここ」
そう言ってしまってから、踏み込みすぎたかとちょっと後悔した。
陽菜多はそんな俺を見て、目を細めた。
そうだね・・・
そう言った瞬間、さっきまでより、更に彼が遠くに行ってしまったような気がした。
例えて言えば、まるで、見えない壁が立ちふさがったかのような、そんな感じだった。
なんだ?
今、胸の奥が、ズキっとした・・・ぞ
「あ・・・すまん・・・俺、デリカシーなかった・・・よな」
とにかく、なにか言わなきゃと思って、俺はそう言ってみた。
今のこの空気がとても居心地が悪くて、なんとかしたかったんだ。
軋んだ空気の中、俺があまりにもオタオタしたせいかもしれない。
陽菜多が、くすりと笑った。
お陰で、凍りついたような空気が、和らいだように思えた。

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