この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
海に漂う星屑のように
第3章 海を見下ろす
☆☆☆
横浜の空が端から橙(だいだい)に染まり、そして、ゆっくりと藍に溶けていく。
透明なカーゴは、ゆっくりと100メートルの高さまで俺達を押し上げていった。

初めて乗ったわ、これ。

日没前、まだコスモクロックのイルミネーションが灯っていない時間である。街の光もホームページにあるように『宝石を散りばめた』というほどでもない。

俺と向かい合う席に、陽菜多が乗っている。
例の『雪』のマフラーは巻きっぱなしである。
頬杖をつくようにしてぼんやりと外を眺める姿は、やっぱり俺に冴えた冬の景色を思い起こさせた。

どこか、人を、寄せ付けない、
そんな気配だ。

妙にいたずらっぽく笑って、何かをねだってるときの顔、
アトラクションに目を丸くしながらも、楽しそうにはしゃぐ顔、
ゲームに向き合って、コントローラーを操作する真剣な顔・・・

俺にも気軽に話している、むしろ舐めてすらいるのか、と思うほどでもあるが・・・
やっぱりちげーな、と思う。

なんだろう、勘、みたいなもんだ。
こいつは、やっぱり『独り』なんだ。
なんとなく、そう思った。

「知ってる?」
カーゴが中程まで昇った時、彼が言った。
「何を?」

「これさ、一番てっぺんに来た時、キスすると、そのカップルは結ばれるん・・・だって」

ああ・・・なんだ、よくあるおまじない的なやつか。
学生が好きそうなヤツ。

あ・・・もしかして、こいつ・・・。

「彼女と、来たかったのか?ここ」

そう言ってしまってから、踏み込みすぎたかとちょっと後悔した。
陽菜多はそんな俺を見て、目を細めた。

そうだね・・・

そう言った瞬間、さっきまでより、更に彼が遠くに行ってしまったような気がした。
例えて言えば、まるで、見えない壁が立ちふさがったかのような、そんな感じだった。

なんだ?
今、胸の奥が、ズキっとした・・・ぞ

「あ・・・すまん・・・俺、デリカシーなかった・・・よな」

とにかく、なにか言わなきゃと思って、俺はそう言ってみた。
今のこの空気がとても居心地が悪くて、なんとかしたかったんだ。

軋んだ空気の中、俺があまりにもオタオタしたせいかもしれない。
陽菜多が、くすりと笑った。

お陰で、凍りついたような空気が、和らいだように思えた。
/26ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ