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エロ本を拾っただけなのに <女子高生・優香>
第19章 《灰色の冬》
そして、3月。柔らかな日差しが差し込むようになった頃。聡はようやく、重い腰を上げた。

「……いつまでも、腐っていても仕方ない」

聡は鏡を見た。ひげは伸び放題、頬はこけ、目にはクマができている。聡は洗面所で冷たい水を浴び、髭を剃った。鏡の中に、以前のような普通の40代の男が戻った。

「忘れよう。優香のことは、もう過去だ」

彼女は去った。それは変えられない事実だ。ならば、僕は僕の人生を生きるしかない。また1から始めればいい。このマンションの立地は変わらない。春になれば、また新しい女子高生たちがこの公園を通るようになる。
聡は久しぶりにパソコンの前に座り、ブラウザを開いた。検索窓に打ち込むのは、新たな罠のための「餌」。

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以前と同じ手口でいい。エロティックな好奇心を刺激する本を選び、またあのベンチに置くのだ。優香の代わりを探す旅。それは虚しい作業だったが、心の穴を埋めるにはそれしかなかった。

「……これなんか、いいかもしれないな」

画面に映る過激な表紙を見つめていた、その時だった。

ピンポーン。

静まり返っていた部屋に、チャイムの音が響いた。
聡は不審げに眉をひそめた。宅配便を頼んだ覚えはない。まさか10階の両親か? いや、彼らは用があれば内線をかけてくるはずだ。直接降りてくることなど滅多にない。なら、セールスか勧誘だろう。
聡は無視しようかと思ったが、チャイムはもう1度鳴った。

ピンポーン。

「……ちっ」

聡は舌打ちをし、重い足取りで玄関へと向かった。面倒くさそうにモニター付きインターホンの通話ボタンに手を伸ばしかけ――ふと、画面を見た。
そこで、聡の動きが凍りついた。

「え……?」
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