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夜来香 〜若叔母と甥、禁忌の果て〜(改訂版)
第14章 餓鬼

話し声は健人にも当然聞こえていた。
興奮に口角が上がっていく。

「きたきたきた…やっぱ露出は視られてなんぼっすよね…」

四つん這いの女が立ち上がろうとする。
リードを短く持ち、それを許さない。

「何してんの…」

「だって人が…お願いっ…隠れなきゃ……」

前方に人の姿はない。
おそらくあの角を曲がってこっちに歩いて来てる。 話し声はどんどん近づいてくる。
結奈は四つん這いのまま逃げようとした。
短く持たれたリードが突っ張るだけで動けない。

「通報されたら二人ともおしまいだって言ってんのっ……」

「そん時ゃ逃げればいいんすよ…変装してるんだからバレはしませんて…ほら、歩いて…歩けって…」

【本気?……】

リードが引っ張られる。
ウィッグにサングラス、そもそもこんなところで知り合いに出会す可能性の方が低い。

【だからって、裸を視られていいわけない……】



「どうします?…一杯やって帰りますか?…」

「お盆だぞ…それにこんな時間にどこも閉まってるって…俺は眠くてたまらん…」

角を曲がられると会話ははっきりと聞こえてきた。 リードが波打ち急かされ、結奈はゆっくりと下を向いて四つん這いのまま歩き出し…声へと近づいていく。
鼓動がうるさい。
夏の夜とはいえ急に身体が熱くなっていくようで。 滲む汗が肌に纏わりついてくる。

「隣駅の蕎麦屋はやってますって…ビール飲みなっ……せ、先輩あれ……」

盆休暇など関係のない会社だってあるだろう。

「ん?…おい…嘘だろ…」

近づいてくる足音が止まった。
その会話でじゅうぶんだった。

【もう気付かれてる……】

「ほら、ちゃんと歩けって…」

健人は女の後ろから煽るように声をかける。
ぷりっとした尻が一歩、また一歩と前に出る度に左右に捩れていた。

【ドキドキしてんの?…興奮してんだろ?…】

お尻をくねらせ歩き、覗く内腿が光ってるように思えた。
汗なのか、違う体液なのか…。

【後でしっかり確かめてやるからな…】

キャップを目深に被り、二人組に近づいていく。
健人の鼓動も昂ってのいた。



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