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御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第30章 神寂びの森とつながる未来
そもそも御朱印がいつ誕生したのかというのを私は知らない。
いつか、御朱印の由来についてちゃんと調べてみようと思うとともに、
改めて、御朱印集めをしててよかったな、と思った。

だって、この『御朱印』が私と素直さんを出逢わせてくれて、
そして、巴さんや港斗さんとの縁も結んでくれたのだから。

内宮の参拝を終え、参道を戻り宇治橋に差し掛かる。
巴さん夫妻は、これから倭姫宮などの域外にある別宮に向かうらしい。

私達はそちらにはすでにお参りしてしまったので、ここで二人とはお別れとなった。

宇治橋の真ん中、五十鈴川を臨むとても気持ちのいい場所。
風が緑なす山から吹き抜けてくる。

橋の中央を超えた辺りで、前を歩く参拝客が、ちょんと、橋の欄干に据えられた擬宝珠(ぎぼし)に触れているのを見て、思い出したことがあった。

「そう言えば・・・、嘘か本当かわからないんですけど、
 この橋の欄干の擬宝珠、帰る方向の最後から2番目に触れると、
 次に伊勢神宮にお参りに来るまで健康に過ごせるっていう言い伝えがあるんですって」
「え?そうなの?」
「あ、本当ですよ。ひとつだけ、何だか色が剥げてるのがあります」
「これ、触ったら、元気にまたこられそうだね」

四人で、ちょんちょんと、擬宝珠に触れて、
また、ここに元気に来られる日をお願いした。

せっかくなので、伊勢神宮の大鳥居の前で四人で記念写真を撮る。
今日のところはここでお別れだ。

男性陣が互いに撮りあった写真をLINEアルバムでやり取りしているところで、私は巴さんとのお別れを惜しんでいた。

「ばいばい、ゆらさん」
巴さんが小さく手を振る。
「また、LINEしますね。あ・・・そうだ
 元気な赤ちゃん、産んでくださいね!」
うん、と頷いて、巴さんはお腹をさわさわと撫でる。

「ゆらさんも・・・頑張ってね」

ニコっと笑って意味ありげに言われてしまい、どきんと心臓が跳ねる。

「何を頑張るんだ?」
ちょうどそこに写真交換を終えた素直さんが戻ってきたものだから、
余計にドギマギしてしまった。

「ふふ・・・こっちの話よ」
巴さんが言う。
「さ、行きましょう、巴。
 ゆらさん、素直さん、またお会いできるといいですね」
「ああ、また連絡するから」

二人は手を振りながら、駐車場に消えていった。
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