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御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第30章 神寂びの森とつながる未来
鬱蒼とした森の中に佇むその場所は、言われなければ神社とはわからないほどの簡素な作りである。石畳をぐるっと木の柵で囲っているだけのこじんまりとしたお社だった。祀られているのは五十鈴川の神様・・・その名も瀧祭大神・・・である。

四人揃って頭を下げる。

手水、五十鈴川、そして、瀧祭大神の力・・・

これだけ清めたので、大分身綺麗になった気がする。
ついでに言えば、互いを思いあう巴さん夫婦を見て、心まできれいになった気もした。

そのまま参道沿いに進み、御朱印やらお守りやらをいただける神楽殿を超えたところに、注連縄で囲まれた不思議な場所があるのが目についた。

一見、ただ玉石が敷き詰められている背の低い石垣のように見える。

先程も参照した域内マップを見ると、どうやらこれ、『四至神』と書いて『みやのめぐりのかみ』と読む、やっぱり一種のお社らしい。

神社の四方を守る結界のような働きをする神様みたい。

「そうなんだ・・・これも、神様なんだね」
「四方を守るということは、他に3つあるのでしょうか?」
港斗さんがぽちぽちとスマホで調べている。
そして、ああ、と声を上げたところを見ると、どうやらそれについてのページを発見したみたいだった。

「どうも、昔は四つどころか、もっといっぱいあったみたいです。
 昔の文献には200箇所以上あって、そこを神主さんたちがぐるぐる巡っていたとか」

それが、後世になって数を減らし、今ではひとつになっているようなのだ。

「お参りしとく?」

私達が調べている間にも、普通の神社に参拝するみたいに、その石垣(正式には磐座という神様がいらっしゃる岩、ということらしい)に向かってお参りしている人が何人かいた。

「結界の神様なんて、ちょっと厨二心がくすぐられますね」

そんなことを言いながら、四人で参拝をした。

そのまま参道を進むと、内宮の正宮が見えてくる。
外宮のそれと同じように、木の垣で囲まれている正宮は、この日本の国と同じほどの時を背負って、凛とそこに佇んでいた。

屋根の上の交差する木(千木)と、棟の上に並べる短い丸太(鰹木)が特徴の、とてもシンプルながらも威厳に満ちたお社は、ここ伊勢でしか許されていない『唯一神明造』という建築様式を持った、文字通り唯一の神社なのだ。
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