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御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第30章 神寂びの森とつながる未来
☆☆☆
二人もお昼ご飯がまだ、ということだったので、内宮参拝の前に、おかげ横丁に立ち寄ることにした。

おかげ横丁とは、伊勢の内宮の大鳥居の近くに広がる飲食店やお土産屋さんが軒を連ねる通りのことである。初詣時期のようなハイシーズンには人波でごった返す場所である。今日は特になんの日でもないけれども、それなりに人出があるのはさすがである。

出店というか、買って歩きながら食べられるものもたくさん売っている。
あちこち見ていると目移りするし、とにかくお腹が空く。

どうやら、外宮の神様は『美味しいものを食べられますように』の方の願いを重点的に叶えようとしているらしい。

「あ、あれ・・・何でしょうかね?」

その中のひとつに目が留まる。
このおかげ横丁。軒を連ねているお店は、どれもこれも趣深いというか、時代劇のセットだと言っても通用するような外観なのだが、私が目を留めた若松屋さんもそうだった。瓦葺きの屋根に年季の入った木造の建物、大きく開いた間口の奥に、これまた年代物のガラスケースに種々の練り物が陳列されている。

奥の深緑色の垂れ幕には『伊勢かまぼこ』『明治三十八年創業』と書かれているので、相当な老舗だということがわかる。

店の奥でも食べることができるみたいだ。
あんまり歩いていると、巴さんが大変なんじゃないかと思って聞いてみたが、歩くのは問題ないみたいなので、看板商品であるところの『伊勢ひりょうず』を4つ、持ち帰りで頂いた。

ひりょうずとは、要はがんもどきのことだ。
刻んだ野菜や魚のすり身が混ぜてあり、更に中央に鶉の卵がどーんと入っているので、なかなかにボリューミーである。

「アチッ!」
「揚げたてなんだね、おいしいね」

歩きながらもぐもぐ。
巴さんたちも『港斗はひとつで足りたの?』『他にも食べたいですからね』などと言い合っていた。

その後も、港斗さんが見つけたお団子やさんや、
素直さんが心惹かれた松阪牛の串焼きや卵焼き、
巴さんリクエストのコロッケなどなど・・・

歩きながら、町並みを眺めながら、目についた思い思いのものをガンガン食べ歩いていく。
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