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御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第29章 始まりの海と再会の予感
手水を済ませ、奥に進むと、玉砂利が敷き詰められた方形の土地があり、その中央に祠と言ったほうが良いくらいの小さなお社がある場所に出た。

「え?あれ・・・なの??ちっさ!」

そんなふうに言った素直さんにクスッとしてしまう。
あれは違う。

「あれはね、お引越し予定地だよ」
「どういうこと?」

伊勢神宮は式年遷宮と言って、20年に一回、全てのお社を建て替えるのだ。

「今あるお社を壊して同じ場所に建て直そうとすると、工事の間、お社がなくなってしまうでしょ? お社は神様のお住まいだから、『ちょっと工事中は、あっちのアパートにでもお住まいください』ってわけにはいかないじゃない」

というわけで、あらかじめ2つの土地を用意しておいて、20年ごとに交互に使うという方法を取るのだ。
新しいお社ができたら、神職さんの手によって新しいお社への『神様のお引越し』をするというわけ。

それを全てのお宮で実行する。
それが伊勢神宮の一大イベント『式年遷宮』なのである。

伊勢神宮の公式HPによると、前回の第62回式年遷宮が完遂したのは平成25年だから、西暦で言えば2013年である。と、言うことは次の第63回遷宮は2033年ということになるわけだ。

「そうすると、あと10年ちょいでお引越しってわけか」
「うん、もっと言えば、もう準備始めてるみたいよ?」

これもHP情報だが、どうやら次回の遷宮の準備は、すでに令和7年、2025年から始まってるようなのだ。

「それだと、しょっちゅう引っ越し準備しているみたいで慌ただしいな。それに63回ってことは・・・ええっと・・・1260年続いているってことか!?
 2013年から1260年前って言えば第一回は753年・・・『鳴くよウグイス平安京』より古いじゃねえか」

計算早っ!
ちょっと検算しきれないけど、多分、時期的にも伊勢神宮の成立と合ってる気がするからきっと計算もあってるのだろうと思う。

1000年以上この地にある日本の中心としてあり続ける神社・・・
それが伊勢神宮というわけだ。

ものすごい歴史の深みを感じる。

ちょっと進むと、今のお宮が見えてきた。
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