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御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第29章 始まりの海と再会の予感
その大岩は昔は海面に出ていたらしく、そここそが、神話の時代に、天上世界である高天原から瓊瓊杵尊ら天津神(あまつかみ)たちがこの世界に降り立った場所だと伝えられているらしかった。

言ってみれば、あの夫婦岩の先こそが、『日本国』が始まった地、と言えるわけで、そう考えると、なんだか不思議な気がしてくる。

「あれ、なんか御利益あるのかな?」
「うん・・・わかんないけど、なんかありがたい気がするよね」

実際、ご利益があるのかもしれないし、ないのかもしれないけど・・・きっと、ずっとずっと昔から、この地の人が大事にしてきた場所なんだろうなと思うと、やっぱり手を合わせた方がいいのかなと思うのだ。

夫婦岩を臨む『日の出遙拝所』に立ち、二人して興玉神石の方に向かって手を合わせて、ペコリ、としておいた。

「あ、そういや、この海で本当は禊をするのが伊勢神宮の正式参拝らしいけど、今は、海に入る代わりにこの神社のお祓いを受けるのが正式ってことになってるみたいだぜ?」

さっき、巫女さんから聞いた話みたいだった。そして、お祓いを受ける暇が無い人用の救済措置(?)もちゃんと用意してあって、それが無垢塩草(むくしおくさ)という、興玉神石に生えている藻を頂くことなのだそうだ。

その藻を身につけることで、きちんと禊をする代わりになる、ということらしい。
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