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御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第27章 古の都と深まる絆(後編)
ちなみに、縁起によると、大物主神は日本を建国した大国主神の和御魂(神様の優しい方の魂)だそうだ。古事記によると、大物主神は大国主神の国造りを手伝った神様と書かれているのだが、こんなふうに、実は二柱の神様は同じ神様の別の側面なんですよ、という考え方もあるのかと感心した。

「もともとさ、日本人って、山とか岩とか海とか、自然そのものを拝んでいたと思うんだよね。だから、こういう山を直接拝む神社って古い信仰の形を留めている・・・珍しい神社なんだよね」

二の鳥居の先の参道は、鬱蒼とした木々が道の両側に生い茂っており、なんとなく神聖な雰囲気を漂わせている。先程の石上神宮といい、この大神神社といい、やっぱり歴史のある神社は何かが違うなと感じてしまうのは気のせいだろうか。

このときの私はすっかり、日本人の持っている神様への信仰、その原型であるだろう、この最古の神社の雰囲気に感じ入っていた。そして、あまりにも夢中になっていたので、素直さんがニコニコと楽しそうにこちらを見ていることに、全く気が付かなかったのである。

「行こう」

厳粛な気持ちのまま、二人して二の鳥居の前で一礼。
木々が作る日陰のせいか、少しひんやりとした境内に足を踏み入れる。

砂利敷きの参道を暫く歩くと、左手に小さなお社が見えた。
説明書きによると祓戸神社(はらえどじんじゃ)とある。

「閉鎖中ってわけじゃねえんだよな?」
素直さんがそういうのも無理はない。ここの祓戸神社は、鳥居の向こうのお社の前が、ピッタリと木戸で閉ざされているように見えるからである。

「いや、閉鎖中じゃないし!こういうやつなんだってば。そして、これも、春日大社と同じみたいね。こっちを先にお参りするタイプ」

ふーんそうなんだ、ということで、二人揃って祓戸神社で頭を下げる。

そこを過ぎると、次に見えてきたのが柵に囲まれた苔むした二つの岩・・・『夫婦岩』があった。

ご丁寧に、矢印付きの案内板には、ばっちりと『縁結び・夫婦円満 祈願絵馬掛け所』と書かれている。岩の前にはお賽銭箱と鳥居が据えられており、それはすなわちここも『お参りスポット』であることを示していた。
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