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御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第27章 古の都と深まる絆(後編)
【古の都と深まる絆(後編)】

『石上(いそのかみ) 降るとも 雨に障(つつ)まめや
 妹(いも)に逢はむと 言ひてしものを』

とは、大伴家持が歌った歌だそうだ。
万葉集に所収されており、意味は『石上にある地名の布留(ふる)ではないが、そんなふうに降り続く雨に遮られて、愛しい人に会いに行かないで家に閉じこもっていられましょうか?』みたいな感じだ。

この枕詞になっている『石上』こそ、ここ石上神宮のことである。
ちなみに、今でもこの石上神宮のある地区は『布留』というのだ。

万葉の昔から同じ地名、というわけだ。

「おおっ!これが石上神宮っ!」

柿本人麻呂の万葉歌碑を右手に見ながら、大鳥居をくぐると、そこには静かな鎮守の森が広がっていた。

「ぬぉっ!なんだこいつら!」

コッコッコッ・・・と首を前後に振りながら、ニワトリが足元を過ぎていく。ボケっと歩いていると踏んづけてしまいそうになる。それほどに人馴れしているのだ。

見渡してみると、黒っぽいもの、茶色っぽいもの、尾の長いもの、そしてあまり見たことのないまっ白いものまで、様々な種類のニワトリをあちこちで目にすることができる。

「なんか、ここの名物?みたい」
「こいつら、昔からいるの?」

うーん・・・と、スマホで調べてみるとどうやらそういうわけでもないみたい。

「なんか昭和40年から50年くらいから飼い始めたみたいだよ」
どれどれと、素直さんが私のスマホを覗き込んでくる。
「もともとニワトリは神様の使いだった・・・?そうなん?」

どうかな?ニワトリが出てくる神話ってなんかあったっけな。

ちょっと頭の中を検索。
そう言えば、と思い当たる。

「天照大神が天岩戸(あまのいわと)に閉じこもった時、思兼神(おもいかねのかみ)っていう頭のいい神様が『天照大神引っ張り出し大作戦』を考えたんだけど、その中のひとつに、ニワトリをメッチャクチャたくさん集めてきて鳴かせるってのがあった・・・かも?」

有名な天の岩戸の伝説である。
弟の素戔嗚尊(すさのおのみこと)のいたずらに心を痛めた天照大神が、『天岩戸』という洞窟に引きこもってしまい、世界が闇に閉ざされた時、思兼神という知恵の神様が提案した作戦がいくつかあったのだ。
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