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御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第25章 間章:お花見デイズ
やっぱりお仕事でのお花見はつまらないみたい。
「ゆらさんは、桜好きなの?」
「うん、好きだよ」
ひらっと、私のスカートに桜の花びらが舞い落ちてきた。
それをちょっと手で摘んでふっと、吹いてみる。
くるくると宙を舞って、芝生に落ちていった。
私は桜が好きだ。
毎年、春になると、夜、お買い物用の自転車に乗って近所の桜がきれいな場所を巡っていた。別に写真を撮るわけでもなく、誰かと約束しているわけでもなく。
ただ、桜を見ていた。
『きれいだなあ』
そんな風に想いながら、水銀灯に照らされる薄ピンクのソメイヨシノを、飽きることなく見ていたのだ。
なんでもそうだった。
きれいなものを見た時、何かに感動したとき・・・心が動いた時に私は、いつも文章を書いていた。
昔は詩を、最近は物語を。
別に詩人を気取ってるわけじゃないんだけど、気持ちがぶわっと溢れた時、それがそのまま無くなっちゃうのが惜しいな・・・って思うから。だから、言葉にしておきたいなと思って。
それは、私にとって記念写真みたいなものだった。
でも、いつもひとりで見上げていたからかもしれない。
桜を見るとどうしても寂しい気持ちになってしまう。
そう言えば、桜を題材にした歌も、失恋ソングだったり、別れの歌が多い気がする。
♪僕がそばにいるよ〜
何処かで聞いた歌・・・
あ、これ・・・
「河口恭吾?」
「ん・・・ああ・・いや、いい歌だなあって思ってさ・・・うるさかった?」
♪いつも一緒にいるよ、毎年、この桜を見よう
僕がいつも笑わせてあげるから
そんな歌詞
私は首を振った。
「ううん・・・歌って・・・聴かせて」
こん、と彼の胸に頭を置いた。
彼が小さく歌を歌う。
耳からも、そして、身体の振動からも、彼の声が私に響いてくる。
私に沁み入ってくる。
♪君がここにいる
僕はそばにいる
多分、彼は本当にただ『いい歌だな』って、思い出しただけなんだろう。
それでも、その歌声は、
ずっとずっと、桜に染み付いていた、私の『寂しさ』を、風の中に溶かしていってしまうようで、なんだか泣きそうになってきた。
「ゆらさんは、桜好きなの?」
「うん、好きだよ」
ひらっと、私のスカートに桜の花びらが舞い落ちてきた。
それをちょっと手で摘んでふっと、吹いてみる。
くるくると宙を舞って、芝生に落ちていった。
私は桜が好きだ。
毎年、春になると、夜、お買い物用の自転車に乗って近所の桜がきれいな場所を巡っていた。別に写真を撮るわけでもなく、誰かと約束しているわけでもなく。
ただ、桜を見ていた。
『きれいだなあ』
そんな風に想いながら、水銀灯に照らされる薄ピンクのソメイヨシノを、飽きることなく見ていたのだ。
なんでもそうだった。
きれいなものを見た時、何かに感動したとき・・・心が動いた時に私は、いつも文章を書いていた。
昔は詩を、最近は物語を。
別に詩人を気取ってるわけじゃないんだけど、気持ちがぶわっと溢れた時、それがそのまま無くなっちゃうのが惜しいな・・・って思うから。だから、言葉にしておきたいなと思って。
それは、私にとって記念写真みたいなものだった。
でも、いつもひとりで見上げていたからかもしれない。
桜を見るとどうしても寂しい気持ちになってしまう。
そう言えば、桜を題材にした歌も、失恋ソングだったり、別れの歌が多い気がする。
♪僕がそばにいるよ〜
何処かで聞いた歌・・・
あ、これ・・・
「河口恭吾?」
「ん・・・ああ・・いや、いい歌だなあって思ってさ・・・うるさかった?」
♪いつも一緒にいるよ、毎年、この桜を見よう
僕がいつも笑わせてあげるから
そんな歌詞
私は首を振った。
「ううん・・・歌って・・・聴かせて」
こん、と彼の胸に頭を置いた。
彼が小さく歌を歌う。
耳からも、そして、身体の振動からも、彼の声が私に響いてくる。
私に沁み入ってくる。
♪君がここにいる
僕はそばにいる
多分、彼は本当にただ『いい歌だな』って、思い出しただけなんだろう。
それでも、その歌声は、
ずっとずっと、桜に染み付いていた、私の『寂しさ』を、風の中に溶かしていってしまうようで、なんだか泣きそうになってきた。

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