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御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第24章 愛しき日々といつもの人々
【愛しき日々といつもの人々】

えっと・・・3月中にしなきゃいけない仕訳はっと・・・

目の前のディスプレイを睨みながら、ぱちぱちぱち、とエクセルで作られた台帳をもう一度チェックしていく。ここで帳票に入れ落としていたり入力ミスがあるとあとあと監査を受けた時に大変な目に遭うからだ。

むむむ・・・

上から順に手元の書類と照合しての最終チェック。
この時期の風物詩みたいなものだった。

「ゆ〜らちゃん」
ちょんっと、急にほっぺを突かれて、声こそ出さなかったものの、私はびくびくっと身体を震わせてしまう。

「なんか調子、良さそじゃない?」
声をかけてきたのは、我が同僚のえっちゃんこと、片品英津子さんだ。

その目はにやにや、によによ、なにか言いたげな含み笑いのニュアンスを湛えている。
今日は3月23日、あの楽しかった素直さんとの淡路島旅行が明けての月曜日、である。

別に悪いことをしてるわけではないのだが、胸がドキドキしてしまう。
前にも言ったが、えっちゃんの女子力は私にとっては異次元で、こと恋愛に関しては、シャーロック・ホームズ、名探偵コナンかというほどの観察力と洞察力を見せてくる。

いや、そんな・・・バレる・・・わけないよね?

えっちゃんが耳元にそっと顔を近づけてきて・・・
「今日は、彼氏のお家から・・・出勤?」

ドキドキッ!!!

ざざーっと血の気が引く音がする。
し、心臓が、破れるかと思ったぁ!!!

「あ、いや・・・え・・・あの・・・」

実は、えっちゃんにはまだ、彼氏の家に週末同棲していることは言っていない。確かに、これまでは日曜の夜は私は家に帰っており、月曜日は自宅から出勤をしていた。

でも、今日は確かに・・・彼の・・・素直さんのお家から出勤したのだ。

だって、だってだってだって!
昨日、新幹線に乗って、東京駅についたのが8時ちょい前、そこでバイバイ・・・できなかったんだあ!!

3日間、すごくすごく満たされてしまって、こんな急にリリースされたら寂しくなっちゃうのは目に見えていた。だから、ワガママ言って、彼の家にもう一泊お泊りさせてもらった・・・のだ。

でも、お洋服が金曜日と同じとかじゃないし、バレる理由なんてないはずなのにっ!?

ぎぎぎぎぎっとえっちゃんの方にぎこちなく顔を向ける。
なんで?なんでバレたの!?
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