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御朱印女と怪談男〜にさつめっ☆〜
第23章 祈りの先とつながる想い
運転しているので当然だが、素直さんは前を見ている。でもそれが、なんとなく敢えてこっちを見ないようにしているように思えて、くすっと笑ってしまった。

確かに、お腹の中にまだ残っている気持ちよさは、こうして車に揺られていると、更にゆらゆらと私の眠気を誘ってくる気がする。

「着いたら起こしてやるからさ」

なんて言われてしまって、安心してしまったのもある。

だから、私は、お言葉に甘えて、あったかい日差しを浴びながら、彼氏の助手席でうとうとまどろむという、最高の時間をいただくことにしたのだった。

☆☆☆
「ゆらさん、ゆらさん・・・ついたよ」
とんとん、と肩を叩かれてとろとろとした柔らかな眠りから意識がゆっくりと浮かび上がってくる。

「ん・・・ついたのぉ?」
「ああ、ほら、起きれるか?」
「うん・・・」

夢も見ずに、ものすごくよく寝てしまったみたい。まだぼんやりしている目をこすこすこすって、私は一度ぐっと伸びをした。

たどり着いたのは兵庫県は西宮市にある廣田神社、その参拝者用の駐車場だった。

よいしょっと素直さんに手を引っ張られて、助手席から降りる。そこでもう一度、伸びをしてようやく頭がはっきりしてきた。

「いっぱい寝ちゃった・・・」
「ん、ああ、たしかによく寝てたよ」

大丈夫か?とすっと手を出されたので、きゅっとそれを掴む。そんな感じで、手をつないでもらえたので、私の気分はこの時点で上々である。

駐車場から続く真新しい石畳のむこうには、2本の石の柱の間に渡されたしめ縄・・・あれは昨日も見たやつ、いわゆる注連柱(しめばしら)という鳥居の原型のようなものだ。

それだけでもこの神社が古いものであることを感じさせる。

注連柱の前で二人でぺこり。
そのまま境内に入ると、右手に参集殿、社務所などが並んでいる。突き当りにあった手水舎で手とお口を清め、右手に進んでいくと、短い階段を経て、拝殿につながっていた。

拝殿は伝統的な神明造りみたい。左右に茂る鎮守の森の奥に歴史と風格を備えて佇んでいた。案内によると、拝殿の奥には中央に本殿、その左右に第一〜第四脇殿という建物があるみたいだった。ご祈祷などを受ければそこまで入れるのかもしれないが、一般の参拝客は拝殿からその様子を覗き見るのみである。
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