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O……tout……o…
第1章 おとうと
 48

 ガチャン――

「あっ……」

 ソファーの上で、夢中になってしまっていたから…
 テーブルを押してしまい、コーヒーを溢してしまった。

「ああっ…」

 見る見る、床に広がるコーヒーの茶色い液体を見て…
 わたしは、我にかえり、立ち上がる。

「あ、ご、ごめん…」

「…………」

 そして急ぎ、拭いていく。

「あ、あーちゃん、ごめん……」

「…………」

 わたしは、黙って、床を拭いていく…

「あ、ぼ、ボク……」

「………っ…て…………」

「あ、え……」

「………って………」

「え……」

「………帰って……」

 わたしは、一心不乱に床を吹きながら…

 そう、小さく…叫ぶ。

「あ…い、いや……で、でも………」

「…ね、ねぇ…お願いだから…帰ってよ……」

「あ、う……」

「お、お願い…だから………」 

 嬉しさと、哀しさの矛盾感……

 そして、なにより……

 重い、罪悪感が……ぐるぐると巡り…

 心を抉ってくる。

 だって…

 許されたって…

 もう、わたしは…

 あの頃の、わたしには戻れないから―――

「お願い……帰って……よ………」

 だったら…

 戻れないのなら…

 もう、今の方がいい……

 今の方が、幸せだから―――

「あ、あーちゃんっ」

「あ、ん、や…」

 だけど、しんちゃんは…

 そんなわたしを、後ろから抱き締めてくる。

「あーちゃん……ち、違う……」

「や、ん…ち、違わ……ない……」

 必死に、振りほどこうとするのだが…

 力が、入らない。

 抗がえない…

 ううん、いや、本当は……

「あ、あーちゃん…ぼ、ボクは……」

「あ、や、し、しんちゃん……」

 より、背中が、熱く、密着し…

 ブラウスが捲れ…

 スカートが捩れ…

 腰が当たってくる。

 そして、しんちゃんの吐息が…

 荒く…

 熱く…

「……や………んっ………」

 また…

 もう…

 同じ過ちは、したくはない……

 これ以上は…

「あ、あーちゃん……ぼ、ボク………」
 
 しんちゃんの手が、胸に触れてきた……

「やっ、だ、ダメ………」
 
「ぼ、ボク……」

「や……」

「ボク……だ、ダメ…なんだ……」

「………」

「た、勃た…な…いん…だ……」

「…え……」



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