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O……tout……o…
第1章 おとうと
45
「ううん…も、もう…昔とは…違う…わ………」
「あ……うん………」
しんちゃんには、この、わたしの言葉が伝わったみたい…
「違うわ……よ………」
「う、うん……」
いや、ずっと…
しんちゃんも、わたしと同じ……
同じ、トラウマを抱いてきているんだ……
「ね、ど、どうして……」
そう、どうして…
今更…
「…こ、ここに……」
来たの?―――
「あ…………う、うん………」
その時……
このマンションの他の住民が、エントランスに入ってきた。
そして…
わたしたちが、きっと、不穏な雰囲気を醸し出しているのだろう…
少し怪訝な目を、向けてきたのだ。
「あ……ねぇ…上がる……」
「え…い、いいの」
わたしは、黙って、頷く。
だって、他人の目が…
いや、他人を意識したくないし……
聞かれたくないし………
バタン――
やけに、ドアの閉まる音が、心に響いた。
「さ、上がって…」
「う、うん、おじゃまします」
「あぁ、お掃除しといて良かったわぁ」
わたしは、敢えて、明るく言う…
じゃないと……
心が、押し潰れてしまいそうだから。
「こ、コーヒーでいい?」
「あ……う、うん」
「ね、ねぇ、しんちゃん今は?」
「え…」
「ほ、ほら、お仕事よ…」
「あ、そうか…うん、去年、転職して、市役所にね…」
「えーっ、市役所、いいじゃない」
「あ、うん、新卒は建設系だったんだけど…
上が沢山いたし、ほら、設計系の資格あったから…」
「へぇ、そっち系の大学行ったんだぁ…」
「あ、うん…」
わたしは、本当に、あれから…
しんちゃんの事は…
何も知らない…
いや、自ら、断ち切ったから―――
10年前の春で…
しんちゃんとの、時計は、止めたのだ。
「あ、わたしはね……」
「うん」
「保険会社に居るのよ」
「うん……」
「でね、今はね……………」
とりあえず、なにかを話していないと…
息ぐ詰まりそうで…
ううん…
呼吸が、止まってしまうから―――
「ううん…も、もう…昔とは…違う…わ………」
「あ……うん………」
しんちゃんには、この、わたしの言葉が伝わったみたい…
「違うわ……よ………」
「う、うん……」
いや、ずっと…
しんちゃんも、わたしと同じ……
同じ、トラウマを抱いてきているんだ……
「ね、ど、どうして……」
そう、どうして…
今更…
「…こ、ここに……」
来たの?―――
「あ…………う、うん………」
その時……
このマンションの他の住民が、エントランスに入ってきた。
そして…
わたしたちが、きっと、不穏な雰囲気を醸し出しているのだろう…
少し怪訝な目を、向けてきたのだ。
「あ……ねぇ…上がる……」
「え…い、いいの」
わたしは、黙って、頷く。
だって、他人の目が…
いや、他人を意識したくないし……
聞かれたくないし………
バタン――
やけに、ドアの閉まる音が、心に響いた。
「さ、上がって…」
「う、うん、おじゃまします」
「あぁ、お掃除しといて良かったわぁ」
わたしは、敢えて、明るく言う…
じゃないと……
心が、押し潰れてしまいそうだから。
「こ、コーヒーでいい?」
「あ……う、うん」
「ね、ねぇ、しんちゃん今は?」
「え…」
「ほ、ほら、お仕事よ…」
「あ、そうか…うん、去年、転職して、市役所にね…」
「えーっ、市役所、いいじゃない」
「あ、うん、新卒は建設系だったんだけど…
上が沢山いたし、ほら、設計系の資格あったから…」
「へぇ、そっち系の大学行ったんだぁ…」
「あ、うん…」
わたしは、本当に、あれから…
しんちゃんの事は…
何も知らない…
いや、自ら、断ち切ったから―――
10年前の春で…
しんちゃんとの、時計は、止めたのだ。
「あ、わたしはね……」
「うん」
「保険会社に居るのよ」
「うん……」
「でね、今はね……………」
とりあえず、なにかを話していないと…
息ぐ詰まりそうで…
ううん…
呼吸が、止まってしまうから―――

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