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One Night LOVE
第1章 ココア
彼は手に持っていた本を置いて、私の手をそっと握ってくる。
両手で包み込むように握ってくるが、拒否しようと思えば拒否できる。
それぐらい優しく包み込む力だった。
今思えば、私が彼を拒否するかどうか、試していたのだろう。


「1週間前もここを通りましたよね。日付が超えたころに」
「え…」


私は彼と会ったのは初めてだと思っていたので驚いた。
まさか、彼は私のことを知っていたなんて…


「あの時はスーツじゃなくて、ワンピースを着ていて…綺麗な女性だなって」



手を握られて、容姿を褒めてもらえるなんて…思ってもいなかった。
それに、もしかしたら、容姿を褒められたのは初めてかもしれない。


「あ…いいですよ。社交辞令は…」


恥ずかしさからか、私は目をそらした。
だけど、彼はそんな私を逃がしはしないと、さらに手をギュッと握ってきたのだ。

「……自分に自信がない?」


年上のはずなのに、急に捨てられたワンちゃんのように
ウルウルした瞳で見つめてきて…胸が苦しくなる。


「自信なんてないです。仕事もプライベートもうまくいかない…」


初めて会った人に愚痴ってもいいのだろうか。
いや、見知らぬ人だからこそ、自分の本音を言えるのかもしれない。


「私…見た目がこんなだから。男性経験が少なくて。
だから、仕事を頑張ろうって頑張っても…男性には勝てなくて。
そんな時、後輩が私を慕ってくれて可愛いけど頼もしいところもある人で
お付き合いしていたんです」


一度、口を開いたら止まらなくなって…
だけど、彼は大人しく私の話を聞いてくれる。
だから、ついつい、そのまま話を続けてしまった。


「先週、私の誕生日で…彼の家に行ったんです。
大事な話があるから家に来てって言われて。
サプライズでお祝いしてくれるのかなと思ったら別れ話で…
私の誕生日は忘れてました」


自分で話をしていても、悲しくなってくる。
私、彼にフラれて別れて…現実なんだと実感してきて涙が頬を伝った。


「辛くても会社行って仕事して…でも、今日諦めれないから
残業後に彼の家に行ったら、別の後輩が彼の家に入っていくのを見ました。
彼、いつも言ってたんです。私が仕事仕事で寂しいって」







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