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赤椿の島、青き恋~椿島の人魚たちへ
第4章 心に降る雨ー海辺にて、炎の一夜。身も心も燃やし尽くしてー
「行かないで」


ー 一人は淋しすぎるから、お願いだから、私をまた一人にしないで。

 香蘭の涙の懇願に、男がゴクリと喉を鳴らす音がしじまに響いた。思い直したらしく、男がもう一度、太い腕を香蘭の肢体に回す。


「戻ってきてくれたのね、嬉しい」


 香蘭は甘えるように男の胸板に頬を押しつけた。そこでまた寒さが戻ってきたように思え、香蘭はかすかに身を震わせた。


「寒いのか?」


 男が問いかけ、香蘭は子どものようにコクコクと頷く。男が起き上がり、傍らの酒瓶から直のみするや、口に含んだ液体を香蘭に覆い被さり口移しで含ませた。
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