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イケナイアソビ。
第8章 恋して! ウェアウルフ
(八)
どんなに長い夜も必ず明ける。
宝が次に目覚めたのは空が白じんだ頃だった。
どうやら自分は気絶していたらしい。
隣にいる丞は目を閉ざし、深い眠りに入っていた。
ウェアウルフが治癒力に長けているというのは本当らしい。ライフルで撃たれた傷の出血はもうすでに止まっている。
もう少し、彼の端正な顔立ちを見ていたい。けれども次期に彼は目を覚ますだろう。
(だけど、もう少しだけ……)
宝は彼が目覚める前に消えるつもりだった。
想ってもいない自分を抱いたと知ったら、いくら不本意でも律儀な彼はきっと自分を側に置こうとするだろう。
そうなれば、本当に好きな人が現れた時、それでも自分を選ぶに違いない。そうして丞は自分自身を犠牲にしてまで宝に尽くす。
それは一見、宝にとって嬉しいことだが、しかし丞が自分を嫌っているという事実は変わりない。
好きな人にはいつも心穏やかに過ごしてほしいと思う。
だから宝は、この情事のことを誰にも言うつもりはなく、胸の奥に仕舞い込むつもりだった。
「……好き」
ぽつりと告げたその言葉は、けれど丞には届かない。
丞の胸に顔を埋め、抱かれた余韻に浸っていると、丞の身体がわずかに震えた。
どうやらこの恋も夜が明けるらしい。
宝はベッドから飛び起きると、無造作に落ちているシャツとズボンを拾い上げ、キスマークが付いた身体をなんとか隠した程度の姿になる。気になるのはあれから幾度と達したために残った情事の後だ。自分の蜜が付着した丞の衣服を彼の身体から剥ぎ取ると、手近にあるゴミ箱に突っ込んだ。
ここへ来て、初めて見る引き締まったその裸体に、宝は目を奪われた。
象牙色の肌に端正な顔立ちの彼は、まるで彫刻のように整っている。
宝は、横たわる美しい彼に今一度触れたくなるその欲望を振り払い、彼の身体に毛布を掛けてやると踵きびすを返した。
急ぎ、部屋を後にする。

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