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イケナイアソビ。
第7章 咎人-出逢い編-
(二)
藤次郎が銀之助に出会ったのは、三年前――。
藤次郎は武家の出であったが、両親は藤次郎が幼少の頃に流行病にかかり、あっけなく亡くなってしまった。
藤次郎はまだ幼く、家督を継げないとしてお家は断絶し、両親を亡くしてからは遠い親戚に当たる浪人のひとり暮らしをしている男に引き取られ、過ごしていた。しかしその男、これまたひどいもので、親と呼べるほどの甲斐性はなく、飲んだり食ったりの堕落した毎日を送っていた。だから藤次郎は内職をしてその日限りの生活を強いられ、まるで使用人の如く扱き使われ、過ごしていた。
いや、それだけならまだいい方だ。男は、「せっかく母親譲りの器量なのに男では台無しだ。お前が女であったなら、女郎屋にでも入れてやったものを……」と、悪びれもせず、毎日口癖のようにすげなくそう言うのだ。
藤次郎は毎日が屈辱の連続だった。けれども引き取り手もいない藤次郎は、お家再興の伝もなく、この愚かしい男と暮らすことしか生きる方法はなかったのだ。
そんなある日、夜も深まる頃だというのに、飲んだくれの男は何時ものように酒の使い言い渡してきた。
藤次郎は嫌々ながらも、それでも男の言われたとおり、殻になった徳利を持ち、長屋を出た。
何の代わり映えもしない毎日。けれどもその夜は何時もの夜ではなかった。
「おっ? こんな夜更けにいい女――と思ったら男かよ」
旗本風の若侍がすれ違い様に言い寄ってきたのだ。どうやらこの男は相当酔っているらしい。おぼつかない足取りで歩み寄ると虚ろな目で品定めをするような目で藤次郎を見やる。
「…………」
その目がなんとも気持ち悪い。むやみやたらと離すのはかえって相手の気分を逆撫でする。この手の相手には十分すぎるほど見飽きている藤次郎は何も言わず、そのまま通り過ぎようとする。しかし相手はそうはさせてくれなかった。藤次郎の手首が掴まれてしまった。

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