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イケナイアソビ。
第6章 咎人

「このままじゃ終われねぇ! こいつもあの世へ道連れだ!!」
 藤次郎と接合していた雄を引き抜くと、懐から小太刀を取り出した。
 鋭い切っ先が藤次郎の喉元を貫かんと固定される。

「道を開けろ、さもなくばこいつを殺す!!」
 藤次郎を盾にして男は座敷を離れる。

「そうはさせん」
 気配もなく背後からやって来た。藤次郎の首下に突きつけた刃物を持つ手が捕らえられた。

「ぎんのすけ、さま……」
 男に捕らえられている藤次郎が、彼の名を愛おしげに呼んだ。
 男は、新たに現れた伊達男に腕を後ろに回され、固定されると同心の縄に巻かれた。

「無事か、藤次郎」
 解放された藤次郎の身体が力なく傾けば、力強い腕に抱き留められた。
「……銀之助様」

「もう大丈夫だ」
 銀之助のその言葉に藤次郎は張り詰めた息を解く。

「俺を捕らえても仲間の居場所はわからずじまいだぜ?」
 最後の悪あがきだと、男は分厚い唇を歪ませ笑う。
 しかしそれさえも銀之助は手を打っていた。

「果たしてそうかな? お前は上手く相方を逃がしたと思っただろうが、九つ時、お前は関所前にある茶屋で男と会っていたな?」

 銀之助はそこまで言うと、男の勝ち誇った顔が真っ青になった。
 でっぷりとした身体は力を無くし、床に膝をつく。

「阿片を密売している男は捕らえさせてもらった。弥兵衛、神妙にお縄を頂戴しろ!! 引っ立て!!」
 同心の言葉に、一同は立ち上がり、斯くしてこの一件は終わりを告げた。

「藤次郎、辛い目にあわせたな」
 後に残ったのは銀之助と藤次郎のみだ。
 銀之助は、涙で濡れた藤次郎の頬を撫でてやる。

「俺はもう覚悟していたから……」
「あとはお奉行がなんとかしてくださるだろう。藤次郎、宿屋へ行こう」

 熱を持つ身体が宙に浮く。
 藤次郎を横抱きにすると、銀之助は隣の宿屋へと向かった。


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