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僕の愛する未亡人
第19章 社内秘 飯塚冴子②
むぅ、と口の先を尖らせた理央は、困った顔をして指に襟足の髪を巻き付ける。

「そ、そりゃ……っ。したいのは認めるし、僕が勝手に抱きついたけど、呼んだのはちょっと違う方だもんっっ」

佳織の前なのに、取り繕おうとはしない。
佳織はきっと妬くだろうに、と思いつつ、その素直さが冴子にとってどうしようもなく可愛かった。

「ふふ、「ちょっと違う方」ね……」

心配させるようなことは言わないで、と言ったが、あまりに不器用だ。
ビールを一口、含むと意を決したように口を開いた。

「昨日は、佐藤くんのお手柄。下の倉庫で、男性社員から性的な接触があって」

佳織は目を見開き、何かを言おうとしたが、唇をきゅっと噛む。
そのタイミングで、理央が目を閉じて唇を震わせながら言う。

「――飯塚さん、僕が偶然倉庫入った時、ジャケットのボタン締め直してた」

「服の中まで触られたから……それにタカギには言わなかったけど、後ろ向かされて、性器も舐められたんですよね。最悪。そのタイミングで、佐藤くんが質問あるって倉庫に呼びに来てくれた。だから、最後までされずに済んだ」

「そ、そんなことまで、あの人……したの」

「ま、正気の沙汰じゃないわよねえ。あたしだって人のこと、言えないのかもしれないけど」

佳織の前なのに、理央は咄嗟に冴子に手を伸ばして、その体を抱きしめる。
その後ろでは、心配そうに佳織が冴子を見つめていた。

「昨日ちょっと寝られなかったけど……それ以上されてないから、大丈夫」

冴子は理央の背中を軽く撫でる。
そうしていると、そっと佳織が冴子の右横に体を寄せてきた。

そして、頬の辺りにさらりと流れる黒髪に触れると、耳元を顕にさせて、唇を押し当てる。

「ん……」

突然の刺激に、冴子の体が震えた。それと同時に、昨日の行為とは異なって、欠けた何かが満たされていくようでもあった。

「飯塚さんの体に触りたくなる気持ちはわかるけど……許せないな」

佳織が低い声で耳元で呟く。

「じゃあ……二人で……慰めてくれる?」

冴子は恥ずかしそうに、視線を佳織に向けた。
佳織は悲しそうな顔をして、冴子の髪を撫でると、静かに頷いた。
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