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僕の愛する未亡人
第19章 社内秘 飯塚冴子②
低く、短い声だった。
冴子がこんなふうに返すのは、知親に対しては珍しい。
知親は、しまった、という表情を浮かべる。
冴子は椅子に深く腰掛け直し、視線をモニターに戻す。
「そういう質問、せめて会社ではやめて。噂になったりするの、嫌なの知ってるよね?」
言葉は淡々としているが、線ははっきり引かれていた。
昨日のことがあって、ただでさえも冴子は苛苛している。
それに理央はそもそも、今でこそ冴子と気軽に飲みに行くようになったが、職場の女性がいる場に飲みに行くことを避けている。
佳織と付き合っていることは内緒にしているだろうし、大切な後輩の理央が、セクハラが理由で人事異動させられたと言われる自分と噂されるのなど、以ての外だ。
「ごめん、言いすぎた。今日はそっとしといて。また飲もう」
*
「ちょーーーー腹立つんですけどっっ」
佳織の家に一時間ほど遅れて行った冴子は、グラスに注がれたビールを飲み干すなり、腹立たしさを口にする。
いきなり二人の前で言いすぎた。ローテーブルを前に、クッションを下に引いて座る冴子は、膝を立てて額をその上に乗せる。
冴子の右隣、理央と佳織が並んで座っている。
理央が苦笑いしながらおかわりの缶を差し出した。佳織は手のひらに顎を乗せて、理央を挟んだ状態で冴子を見つめていた。
「ていうか、何で僕……? まあビンゴなんですけど。朝、話したからかなあ」
「いやね、あたしじゃなかったら別にいいのかもしんない。でもタカギは、あたしが詮索されるの嫌いなのわかってるわけ。しかも、何でよりによって後輩の名前出すかな、セクハラで飛ばされたらどーすんのよ」
語尾が荒くなるのを、自分でも自覚しているのだろう。
冴子はグラスを持ち直し、ひと呼吸置いた。
「――でも、機嫌悪いのそこじゃないでしょ、飯塚さん。わざわざ佐藤くんが、あたしたちの時間に誘うなんて、よっぽどのことあったんじゃないの?」
黙っていた佳織が口を開いた。真ん中に座る理央は両方を見ながらしどろもどろになっている。
冴子は唇の片端を上げてふふっと笑う。
「佐藤くんが単に三人でエッチしたいだけだったりして」
「ちょ、え、飯塚さんっっ」
「今日、抱きついてきたんですよ……車内で。あたしと……したかった?」
「ね、ねぇっ、それ言う?!?!」
冴子がこんなふうに返すのは、知親に対しては珍しい。
知親は、しまった、という表情を浮かべる。
冴子は椅子に深く腰掛け直し、視線をモニターに戻す。
「そういう質問、せめて会社ではやめて。噂になったりするの、嫌なの知ってるよね?」
言葉は淡々としているが、線ははっきり引かれていた。
昨日のことがあって、ただでさえも冴子は苛苛している。
それに理央はそもそも、今でこそ冴子と気軽に飲みに行くようになったが、職場の女性がいる場に飲みに行くことを避けている。
佳織と付き合っていることは内緒にしているだろうし、大切な後輩の理央が、セクハラが理由で人事異動させられたと言われる自分と噂されるのなど、以ての外だ。
「ごめん、言いすぎた。今日はそっとしといて。また飲もう」
*
「ちょーーーー腹立つんですけどっっ」
佳織の家に一時間ほど遅れて行った冴子は、グラスに注がれたビールを飲み干すなり、腹立たしさを口にする。
いきなり二人の前で言いすぎた。ローテーブルを前に、クッションを下に引いて座る冴子は、膝を立てて額をその上に乗せる。
冴子の右隣、理央と佳織が並んで座っている。
理央が苦笑いしながらおかわりの缶を差し出した。佳織は手のひらに顎を乗せて、理央を挟んだ状態で冴子を見つめていた。
「ていうか、何で僕……? まあビンゴなんですけど。朝、話したからかなあ」
「いやね、あたしじゃなかったら別にいいのかもしんない。でもタカギは、あたしが詮索されるの嫌いなのわかってるわけ。しかも、何でよりによって後輩の名前出すかな、セクハラで飛ばされたらどーすんのよ」
語尾が荒くなるのを、自分でも自覚しているのだろう。
冴子はグラスを持ち直し、ひと呼吸置いた。
「――でも、機嫌悪いのそこじゃないでしょ、飯塚さん。わざわざ佐藤くんが、あたしたちの時間に誘うなんて、よっぽどのことあったんじゃないの?」
黙っていた佳織が口を開いた。真ん中に座る理央は両方を見ながらしどろもどろになっている。
冴子は唇の片端を上げてふふっと笑う。
「佐藤くんが単に三人でエッチしたいだけだったりして」
「ちょ、え、飯塚さんっっ」
「今日、抱きついてきたんですよ……車内で。あたしと……したかった?」
「ね、ねぇっ、それ言う?!?!」

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