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砂漠の王に捧げる夜 ―ただひとときでも、あなたの愛を―
第1章 夜伽なき王と、影の侍女

でもその手の温度は、驚くほど熱かった。
「……悪い。やっぱり……編んでもらえるか?」
ほんの少しだけ、躊躇うような声。
私は、胸の奥が熱くなるのを感じながら、小さくうなずいた。
「はい。」
ふたりで再び噴水の縁に戻る。
王はすっと背を向け、長い髪を胸の前に垂らされた。
まだ香油の香りがほんのりと残る、柔らかな黒髪。
そっと手を伸ばし、編み始める。
「……ユリーナが死んでから、編んでくれる人はいなくてね。」
静かに落とされた声。
それは、亡き妃の名を呼ぶだけで、王がどれだけ深い悲しみに沈んでいたのかを教えてくれた。
「お妃様なら、他にもいらっしゃいます。ハーレムに……」
少しだけ絞るように、私は言った。
「……悪い。やっぱり……編んでもらえるか?」
ほんの少しだけ、躊躇うような声。
私は、胸の奥が熱くなるのを感じながら、小さくうなずいた。
「はい。」
ふたりで再び噴水の縁に戻る。
王はすっと背を向け、長い髪を胸の前に垂らされた。
まだ香油の香りがほんのりと残る、柔らかな黒髪。
そっと手を伸ばし、編み始める。
「……ユリーナが死んでから、編んでくれる人はいなくてね。」
静かに落とされた声。
それは、亡き妃の名を呼ぶだけで、王がどれだけ深い悲しみに沈んでいたのかを教えてくれた。
「お妃様なら、他にもいらっしゃいます。ハーレムに……」
少しだけ絞るように、私は言った。

