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砂漠の王に捧げる夜 ―ただひとときでも、あなたの愛を―
第1章 夜伽なき王と、影の侍女

王が、それほどまでに彼女を慈しんでいた証。
拭きながら、私はそっと指を這わせる。
目を閉じれば、ユリーナ様の微笑みが浮かんでくる。
そして、その隣に――
あの夜、髪を垂らし、唇を落としていた王の姿。
「……あの方に愛されるというのは、どれほど幸せだったのでしょうか」
言葉にしてしまえば、心のどこかが軋んだ。
分かっている。
私は、あの方にはなれない。
この指も、この肌も、この命も。
決して、王の“愛した女”にはなれないのだ。
それでも。
せめて、少しだけでも。
あの人の孤独を癒せるのなら――
私のすべてを捧げても、悔いはない。
そんな風に思ってしまう自分が、怖いほどに愛おしかった。
拭きながら、私はそっと指を這わせる。
目を閉じれば、ユリーナ様の微笑みが浮かんでくる。
そして、その隣に――
あの夜、髪を垂らし、唇を落としていた王の姿。
「……あの方に愛されるというのは、どれほど幸せだったのでしょうか」
言葉にしてしまえば、心のどこかが軋んだ。
分かっている。
私は、あの方にはなれない。
この指も、この肌も、この命も。
決して、王の“愛した女”にはなれないのだ。
それでも。
せめて、少しだけでも。
あの人の孤独を癒せるのなら――
私のすべてを捧げても、悔いはない。
そんな風に思ってしまう自分が、怖いほどに愛おしかった。

