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砂漠の王に捧げる夜 ―ただひとときでも、あなたの愛を―
第1章 夜伽なき王と、影の侍女

しばらくして、裏庭で洗濯をしていると、近くの水桶から、くすくすと笑い声が聞こえてきた。
「王はここ一年、誰とも閨を共にしていないそうよ。」
「正妃様が亡くなって、腑抜けになったのかねぇ。」
「なに、ハーレムに行かないだけで、本当は誰か部屋に招いてるんじゃないの?」
石鹸の泡を飛ばしながら、侍女たちは好き勝手なことを言って笑っている。
その声が、なぜか胸に小さく刺さった。
私は、泡のついた布を水に浸しながら、静かに耳を澄ませる。
「ナディアは、どう思う?」
一人が、振り返って私に声をかけた。
驚いたが、私は笑った。
でも、それはほんの少し寂しげな微笑みだった。
「……不器用なだけなんじゃない?」
そう答えると、侍女たちは一瞬ぽかんとし、それからまた笑い出した。
「王はここ一年、誰とも閨を共にしていないそうよ。」
「正妃様が亡くなって、腑抜けになったのかねぇ。」
「なに、ハーレムに行かないだけで、本当は誰か部屋に招いてるんじゃないの?」
石鹸の泡を飛ばしながら、侍女たちは好き勝手なことを言って笑っている。
その声が、なぜか胸に小さく刺さった。
私は、泡のついた布を水に浸しながら、静かに耳を澄ませる。
「ナディアは、どう思う?」
一人が、振り返って私に声をかけた。
驚いたが、私は笑った。
でも、それはほんの少し寂しげな微笑みだった。
「……不器用なだけなんじゃない?」
そう答えると、侍女たちは一瞬ぽかんとし、それからまた笑い出した。

