この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
紅蓮の夜に、君をさらう
第1章 炎の宮殿、出会いの夜

気づくと、私は馬の上にいた。
「……気づいたか」
背後から、低く、やさしい声がした。
その人――彼は、私の身体をしっかりと腕の中に抱いていた。
広い胸に背を預けたまま、私はしばらく言葉を返せずにいた。
「もう少しで、俺の屋敷に着く」
「……屋敷?」
私は思わずつぶやいた。
でも、あたりを見回しても、あるのは木ばかり。
森の中に――屋敷なんて、あるはずが……
そう思った次の瞬間、目の前の木々が開けた。
そこに現れたのは、想像よりもずっと立派な屋敷だった。
高い塀に囲まれた石造りの門。
赤く塗られた梁に、灯る松明の火がゆらゆらと揺れている。
「ここだ」
男は馬を止めると、私を軽々と降ろし、そのまま両腕で抱きかかえた。
「……気づいたか」
背後から、低く、やさしい声がした。
その人――彼は、私の身体をしっかりと腕の中に抱いていた。
広い胸に背を預けたまま、私はしばらく言葉を返せずにいた。
「もう少しで、俺の屋敷に着く」
「……屋敷?」
私は思わずつぶやいた。
でも、あたりを見回しても、あるのは木ばかり。
森の中に――屋敷なんて、あるはずが……
そう思った次の瞬間、目の前の木々が開けた。
そこに現れたのは、想像よりもずっと立派な屋敷だった。
高い塀に囲まれた石造りの門。
赤く塗られた梁に、灯る松明の火がゆらゆらと揺れている。
「ここだ」
男は馬を止めると、私を軽々と降ろし、そのまま両腕で抱きかかえた。

