この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
切り裂かれた衣
第2章 衣美と匠~共に過ごす日々~

「ん? どうしたの?」
「いや、衣美の手……なんか、ネイルしてる?」
「え、気づいた?!」
衣美は驚きつつ、嬉しそうに手を広げて見せた。黒いネイルに、キラキラとしたラメが入っている。
「昨日、友達とやったんだ。どう? 可愛い?」
「う、うん……めっちゃ可愛い」
匠の声は小さく、視線はネイルからなかなか離れない。衣美はそんな彼を見て、胸がドキドキするのを感じた。
「ふふ、ありがと。意外と細かいとこ見てるんだね」
「そ、そんなことないよ! ただ、目に入っただけで……」
匠の慌てた様子に、衣美はまた笑った。
(お兄ちゃんって、ほんとに素直だなぁ……ふふっ)
彼のちょっとした言葉や視線が、衣美の心を温かくした。
そして、告白から一ヶ月ほど経ったある日、衣美は匠にカフェスペースへ誘われた。いつもより少し緊張した様子で、匠がコーヒーを握りしめながら切り出した。
「えっと、衣美……この週末、時間ある?」
「ん? 週末? うーん、たぶん大丈夫だよ。どうしたの?」
「その……もしよかったら、どっか行かない? 二人で」
匠の言葉に、衣美は一瞬目を丸くした。すぐに、それが「デート」の誘いだと気づき、頬が熱くなる。
「デート? ちゃんとデートって言ってみて!」
衣美がからかうように言うと、匠は顔を真っ赤にしてうつむいた。
「う……で、デート……です。衣美と、行きたいなって……」
「ふふっ、OK! 行こっ! どこ行く?」
衣美の明るい声に、匠はほっとしたように笑った。
「えっと、映画とか……どうかな? 衣美、映画好き?」
「うん、大好き! アクション? 恋愛? それともホラー?」
「ホ、ホラーは……ちょっと……」
匠が苦笑いするのを見て、衣美はまた笑った。二人は映画のジャンルや場所を相談しながら、週末のデートプランを立て始めた。
「な、なんかさ……」
「ん?」
照れ臭そうに口を開いた匠を衣美はきょとんと見つめた。
「こんな感じで話していると……昔を思い出すね。ほら、衣美が……先生だったころのこと」
「ああ……ふふっ、そうだね」
衣美が思わず笑うと匠も釣られて笑った。
そう、あの時も確かにこうして……
「いや、衣美の手……なんか、ネイルしてる?」
「え、気づいた?!」
衣美は驚きつつ、嬉しそうに手を広げて見せた。黒いネイルに、キラキラとしたラメが入っている。
「昨日、友達とやったんだ。どう? 可愛い?」
「う、うん……めっちゃ可愛い」
匠の声は小さく、視線はネイルからなかなか離れない。衣美はそんな彼を見て、胸がドキドキするのを感じた。
「ふふ、ありがと。意外と細かいとこ見てるんだね」
「そ、そんなことないよ! ただ、目に入っただけで……」
匠の慌てた様子に、衣美はまた笑った。
(お兄ちゃんって、ほんとに素直だなぁ……ふふっ)
彼のちょっとした言葉や視線が、衣美の心を温かくした。
そして、告白から一ヶ月ほど経ったある日、衣美は匠にカフェスペースへ誘われた。いつもより少し緊張した様子で、匠がコーヒーを握りしめながら切り出した。
「えっと、衣美……この週末、時間ある?」
「ん? 週末? うーん、たぶん大丈夫だよ。どうしたの?」
「その……もしよかったら、どっか行かない? 二人で」
匠の言葉に、衣美は一瞬目を丸くした。すぐに、それが「デート」の誘いだと気づき、頬が熱くなる。
「デート? ちゃんとデートって言ってみて!」
衣美がからかうように言うと、匠は顔を真っ赤にしてうつむいた。
「う……で、デート……です。衣美と、行きたいなって……」
「ふふっ、OK! 行こっ! どこ行く?」
衣美の明るい声に、匠はほっとしたように笑った。
「えっと、映画とか……どうかな? 衣美、映画好き?」
「うん、大好き! アクション? 恋愛? それともホラー?」
「ホ、ホラーは……ちょっと……」
匠が苦笑いするのを見て、衣美はまた笑った。二人は映画のジャンルや場所を相談しながら、週末のデートプランを立て始めた。
「な、なんかさ……」
「ん?」
照れ臭そうに口を開いた匠を衣美はきょとんと見つめた。
「こんな感じで話していると……昔を思い出すね。ほら、衣美が……先生だったころのこと」
「ああ……ふふっ、そうだね」
衣美が思わず笑うと匠も釣られて笑った。
そう、あの時も確かにこうして……

