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切り裂かれた衣
第4章 初めてのデート

映画の後、衣美と匠はモール内のレストランでお昼ご飯を取ることにした。木目調の落ち着いた店内で、二人は窓際の席に座り
衣美はパスタ、匠はサンドイッチのセットを注文した。
「映画の中でさ……」
お互いの食べ物が届くと衣美と匠は映画の感想を話し始めた。
「主人公の男の子。匠みたいだなぁって思った。あ、俳優の大阪流星みたいなイケメンってわけじゃないよ」
「な、なんだよ、それ……」
匠が少しムッとした顔をするのを、衣美は笑って続けた。
「冗談だよ。 でもね、似てるなと思ったのは本当にだよ。大好きな人に真っ直ぐなところとか……あの駅での告白シーンとかなんて匠が食堂で告白したのと同じだよね」
「う……そ、それは……言われると思った」
匠は顔を赤くしてサンドイッチにかじりつく。衣美はそんな彼を見て、ますます楽しくなってきた。
(なんでかな……)
意地悪しているのは申し訳ないと思うけど、匠が恥ずかしそうになればなるほどに自分のことを思ってくれているのだろうなと衣美は思った。だから、ついついやってしまう。
「ごめんごめん、でもね。私は大好きだよ」
「衣美だって……その、あのヒロインに似てたよ。俺としては……演じてた浜辺海ちゃんよりも可愛いし」
匠の言葉に衣美はフォークでパスタを巻いていた手を止める。カーと顔が赤くなるのを感じた。
「こいつ~!!」
衣美はパスタを巻き付けたままのフォークで匠の前の皿に置いてあったサンドイッチを突き刺すとそれにかじりついた。
「ちょ、衣美!!」
「年上をからかうんじゃないよ」
二人でじゃれ合う姿は周りからも見られているかもしれない。けれど、衣美はこの瞬間も幸せだった。楽しくて仕方がなかった。
衣美はパスタ、匠はサンドイッチのセットを注文した。
「映画の中でさ……」
お互いの食べ物が届くと衣美と匠は映画の感想を話し始めた。
「主人公の男の子。匠みたいだなぁって思った。あ、俳優の大阪流星みたいなイケメンってわけじゃないよ」
「な、なんだよ、それ……」
匠が少しムッとした顔をするのを、衣美は笑って続けた。
「冗談だよ。 でもね、似てるなと思ったのは本当にだよ。大好きな人に真っ直ぐなところとか……あの駅での告白シーンとかなんて匠が食堂で告白したのと同じだよね」
「う……そ、それは……言われると思った」
匠は顔を赤くしてサンドイッチにかじりつく。衣美はそんな彼を見て、ますます楽しくなってきた。
(なんでかな……)
意地悪しているのは申し訳ないと思うけど、匠が恥ずかしそうになればなるほどに自分のことを思ってくれているのだろうなと衣美は思った。だから、ついついやってしまう。
「ごめんごめん、でもね。私は大好きだよ」
「衣美だって……その、あのヒロインに似てたよ。俺としては……演じてた浜辺海ちゃんよりも可愛いし」
匠の言葉に衣美はフォークでパスタを巻いていた手を止める。カーと顔が赤くなるのを感じた。
「こいつ~!!」
衣美はパスタを巻き付けたままのフォークで匠の前の皿に置いてあったサンドイッチを突き刺すとそれにかじりついた。
「ちょ、衣美!!」
「年上をからかうんじゃないよ」
二人でじゃれ合う姿は周りからも見られているかもしれない。けれど、衣美はこの瞬間も幸せだった。楽しくて仕方がなかった。

