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母なる果実
第2章 後篇 果実の滴
 無造作にブランケットなどが散乱するベッドの上に乗ると、男は体育座り、女は豊かな二つの果実をさらけ出したあられも無い姿のまま正座で、それぞれ向かい合った。

 男の視線は、彼女のたわわなそれから外れそうもない。膝の隙間から覗かせる男の下腹部の膨らみを改めて見ると、はち切れそうな程にぱんぱんになってしまっていた。

「脱ごっか…?」

 女が促すと、男は俯いたまま、ベルトをおずおずと外してファスナーを降ろし、座ったまま腰を少し浮かせてズボンを脱いだ。
 肌に密着しているボクサーパンツの真ん中にある、主張の激しい膨らみの先端は、ほんのりと湿りを帯びているようだった。
 女はそれを見て愛おしそうに微笑む。そして、下着の裾に手を伸ばしてほんの少し下にずらし、彼に目配せをした。
 それで察した男は、少し躊躇いながらも、手で背後を支えながら脚を開き、腰を浮かす。
 そのまま女がぐいと手を引いて下着を脱がせると――抑え込むものがなくなり、熱を帯びて聳り立つ欲望の塊が、彼女の目の前にぶるんと露になった。
 びく、びくと脈打ち真上を向いているそれの先端からは、既に透明な汁が溢れてしまっていた。

「もうこんなになっちゃってる…。」

 そういって女はまじまじと、バナナのように反りかえる欲望の象徴を眺めた。
 男は彼女の視線が恥ずかしいのか少し腰を引かせるように動かすも、それをふるふると揺らしてしまい、透明な汁をとろりと滴らせてしまう。

「ごめんね、苦しいよね。」

 優しく声をかけながら、女はそっと抑え込むようにそれを握る。彼女のひんやりした手の感触に、それはびくんっと脈打ち、さらに熱く、硬くなっていった。
 彼は恥ずかしそうに視線を逸らす。その表情を伺いながら、女は握った手でゆっくりと上下に摩りはじめた。

「んっ、ううっ。」

 男が悩ましい声を漏らす。

「我慢しなくていいからね…。」

 女が柔らかく声をかけると、次第に男は鼻息を荒くして、声を漏らす頻度を増やしていった。
 それでも声を出すのを我慢しようとしているのが女には伝わっていて、そのいじらしさに胸をさらに高鳴らせながら、増していく悩ましい声に比例するように早く摩ってやる。
 心なしか、男はそれに合わせて腰をくいくいと動かし始めていた。
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