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からだはずっとあなたを忘れない ~体に刻む愛された記憶~
第1章 からだはずっとあなたを忘れない -完結-
 ずいぶん前のこと、ホテルの部屋へ入った途端にその玄関口で抱きしめられて、少し久しぶりのお酒も入っていたせいもあっていきなり激しい愛撫を受けた日、美也子は達した瞬間に膝の力が抜けて崩れ落ちかけ、それを支えてくれた彼に抱かれたまま失禁してしまったことがある。

「いやぁああ~っ」

 と叫びながら、圭一郎の首にしがみついたままその場にしゃがみこみかけた美也子のショーツからあふれた小水はストッキングを伝い、床のタイルにみるみる広がった。

 その日着けていたフレアスカートは幸いというか、彼に胸のほうまでめくりあげられていたので濡らしてしまうことはなく、履いていたローヒールの靴も無事だったが、床をバスタオルできれいに拭き取ってくれた彼は、泣きじゃくる美也子が少しして落ち着いてから下着とストッキングを脱がせると丁寧に洗ってくれ、ヘアドライヤーで乾かしてくれたのである。

 ハンガーに吊るされた花柄の透かしレースが施された薄いピンクのショーツと、スモールダイヤ柄のストッキングを干し終えた彼は「ほんとに可愛いんだから…」と、恥ずかしがっている美也子を笑いながら抱きしめ、そのまま彼女はお姫様抱っこでベッドへ運ばれた。

 そして、気が遠くなるほど愛された日のことを今も忘れはしない。
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