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わたしの妄想日誌
第17章 ××××鑑賞会
十五、彼女の肉襞の拡げられ具合から、先の張形よりも一回り大きいことは確かだった。彼女の手に力がこもり、張形が埋められていく。張形の胴回り通りに拡げられた彼女の隙間から、小瓶から塗されたものだけではない液体が滲み出て尻穴に伝っていく。根元まで収めると、しばらくの間、器具を孔に馴染ませているように見えた。その間、脚を曲げ伸ばししながら、両手は乳房をまさぐっており、時折、孔から抜け出ようとする張形を、元の奥まで収め直しては再び乳房を揉みしだいていた。もはや、彼女の意識から小生たちの存在は、器具一つによって完全に消し去られたように思えた。

十六、小生は、先の張形を弄ぶときに感じた彼女の事務的な所作の意味をようやく理解し、『鑑賞会』で彼女を追うのも潮時かと思った早合点と、妄想が正しければ、不能な彼女の夫であるかの如く、彼女の性的な欲求を真に理解し得ていなかったことを恥じた。そのような『反省』など無視するように、彼女の喜悦の声が耳を刺激した。男に聞かせるための声ではなく、自らの意思で昂ぶる生身の女が腹の底から絞り出すような声に小生はいたく興奮した。彼女が器具を操る度に、孔からは先の張形が決して奏でることがなかった粘り気のある響きを奏で始めた。その響きと彼女の声のリズムは徐々に速くなっていく。張形による穴への刺激がもはや不要なほどに昂ったのか、両手は乳房を鷲掴み、両脚はピンと伸ばされたまま、彼女は顔を仰け反らせて全身を断続的に痙攣させる。そこで彼女は薄目を開いた。己の欲求が満たされていることを確かめるように、取り囲む小生達を一瞥すると、半分ほど抜け出ていた張形を孔の奥深く突く。獣のような、といった例えが陳腐な声をあげて絶頂を迎えた。

十七、絶頂の波が過ぎると、身体からこわばりが消えていき、彼女は首を傾けて息を荒げている。半開きのままの口の端から涎が糸を引いて彼女の乳房に垂れ落ちている。襖が開いてお屋敷の老婦人が入って来て『鑑賞会』の終了を無言で告げる。ここから先は、彼女が日々を過ごす日常に戻っていく過程であり、その様子にまで未練を残すことは、化粧をしている女の貌を覗き込むようなものだろう。いや、彼女は日常から非日常へと戻っていくのかもしれない。小生は本性を見せてくれた彼女に感謝し安寧を祈り、これからも日常に戻りに来る彼女を迎えようと思いながら、椅子から腰を上げ広間を後にした。
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