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木漏れ日をすくう手
第9章 青い画面の向こうから

10分、30分、1時間。
画面に変化はなかった。
既読がつかないまま、時だけが過ぎていく。
送らなければよかったのかもしれない。
何度も、後悔が押し寄せた。
夜になり、部屋の明かりも落としたままベッドに入った。
スマホは枕元に置いたまま、目を閉じたり、また開けたり。
そして――午前1時すぎ。
「ごめんね、ちょっと実家に帰ってて。葵ちゃんは元気? メッセージうれしかったよ」
その言葉が画面に灯ったとき、胸の奥がじんわり熱くなった。
“メッセージうれしかったよ”
ただ、それだけで、眠れなかった夜がふわりとほどけていった。
夏の夜風が、窓の隙間から優しく吹いていた。
画面に変化はなかった。
既読がつかないまま、時だけが過ぎていく。
送らなければよかったのかもしれない。
何度も、後悔が押し寄せた。
夜になり、部屋の明かりも落としたままベッドに入った。
スマホは枕元に置いたまま、目を閉じたり、また開けたり。
そして――午前1時すぎ。
「ごめんね、ちょっと実家に帰ってて。葵ちゃんは元気? メッセージうれしかったよ」
その言葉が画面に灯ったとき、胸の奥がじんわり熱くなった。
“メッセージうれしかったよ”
ただ、それだけで、眠れなかった夜がふわりとほどけていった。
夏の夜風が、窓の隙間から優しく吹いていた。

