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木漏れ日をすくう手
第7章 蝉の声、ひとやすみ

「クーラー、少し強すぎるかな?」
「いえ、ちょうどいいです」
受け取った麦茶を両手で包むと、先生の手のぬくもりがふとよぎった。
窓の外では、部活帰りの生徒たちの声が遠く聞こえる。
ここだけ、時間の流れがゆっくりだった。
「こういう日って、ちょっとだけ気を抜いてもいいのよ」
椎名先生がそう言って、机に肘をついた。
少しだけ、髪が乱れている。
その無防備な姿に、胸がふいに高鳴る。
言葉を返そうとしたけど、喉の奥で音が消えていった。
(この気持ち……)
誰にも知られたくない。
でも、消えてほしくもない。
蝉の声が、いっそう強く響いた。
夏が、すぐそこに来ていた。
「いえ、ちょうどいいです」
受け取った麦茶を両手で包むと、先生の手のぬくもりがふとよぎった。
窓の外では、部活帰りの生徒たちの声が遠く聞こえる。
ここだけ、時間の流れがゆっくりだった。
「こういう日って、ちょっとだけ気を抜いてもいいのよ」
椎名先生がそう言って、机に肘をついた。
少しだけ、髪が乱れている。
その無防備な姿に、胸がふいに高鳴る。
言葉を返そうとしたけど、喉の奥で音が消えていった。
(この気持ち……)
誰にも知られたくない。
でも、消えてほしくもない。
蝉の声が、いっそう強く響いた。
夏が、すぐそこに来ていた。

