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午後四時までの性隷
第30章 閉められたカーテン
半ば走るようにして、近くの児童公園に避難しました。

そこにも娘と同じ中学校の制服を着た生徒たちが数人、遊んでいました。

そこで思い出しました。

娘の通う中学校は、中間考査の期間だったのです。

私は自分の欲望にかまけて、そんな大事なことも完全に忘れていたのでした。

ということは、娘の帰宅は私と入れ替わりに近かったでしょう。

ひょっとしたら、気もそぞろで出掛けるところを家の近くや通学路で見られてしまったかもしれません。

そう思うと、心臓のドキドキが高まるばかりで落ち着いていられません。

しかも、娘は「縛って」と言っていました。

なにかいけない動画でも見ていれば別の話ですが、あの声は私の娘の声です。

決して娘以外の他人の声ではありません。

男の子も「皐月は」と娘の名前を呼んでいました。

中学三年生で初体験を済ませている驚きよりも、すでに自分の性質をわかっていることの方が衝撃的でなりませんでした。

血は争えないということなのでしょうか…。

私が自分で気づかなかったマゾの気質を、彼女は15歳にして知っているのです。

あそこで娘の部屋のドアを開ける勇気がなぜなかったのか…。

いつもの自分であったなら、ドアを開けて「何してるの!」ときつく叱ったでしょう。
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