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誰にも言えない、紗也香先生
第9章 雨あがり

部屋の灯りはつけずにいた。
外の街灯が、カーテン越しにぼんやりと二人を照らす。
雨の音はもう止み、代わりに、遠くで虫の声がリズムを刻んでいた。
「……先生」
勇くんが私をそっと仰向けにする。
静かな声なのに、いつもより少し低くて、心の奥に響く。
彼の目が暗がりの中で光っていた。
優しさと、少年のような不安、そして──
隠しきれない男としての衝動。
「……やっと、俺の番だと思ってた」
(そんなふうに言われたら……)
私は息を呑んで、小さく頷いた。
その瞬間、勇くんの指が私の鎖骨をなぞるように滑ってゆく。
そこから胸へ、そしてお腹へ──
敏感になっていた身体は、びくっと小さく震えてしまう。
「……っ……」
思わず、小さな声が漏れた。
我慢しようとしたのに、喉の奥からこぼれてしまう。
「声、がまんしないで……聞かせて」
彼の囁きは、まるで秘密を共有するみたいに優しくて、
それが余計に、心の奥をくすぐった。
(だめ……そんなの、ずるい……)
彼の動きは、ゆっくり、でも確かに深くなっていく。
最初は探るように、そして次第に自信に変わる動き。
肌が擦れる音、微かに軋むベッドの音。
「……あっ……ふ……」
抑えた声が、唇から漏れてしまう。
息を飲んでも、胸の奥で高鳴る気持ちは隠せなかった。
勇くんの手がそっと私の手を包む。
その温かさが、何よりも安心をくれた。
同時に、胸の奥でせつない波が膨らんでいく。
(勇くん……どうして、こんなに……)
(やさしいの……)
ふたりの想いがぶつかり、重なっていくたび、
夜の闇は深く、やさしく包んでいった。
やがて、熱は静かにひとつの波に溶けてゆく。
深呼吸を交わしながら、ふたりはぴたりと寄り添った。
「……眠い?」
「ちょっとだけ……でも、まだ起きてたいの」
彼の胸に耳を寄せると、穏やかな鼓動が心地よくて、
私の中のざわめきも、すーっと静かに落ち着いていく。
(こんな夜が……ずっと続けばいいのに)
外では、また小さな雨が窓を叩いていた。
でももう、怖くはなかった。
彼がそばにいてくれるだけで──
外の街灯が、カーテン越しにぼんやりと二人を照らす。
雨の音はもう止み、代わりに、遠くで虫の声がリズムを刻んでいた。
「……先生」
勇くんが私をそっと仰向けにする。
静かな声なのに、いつもより少し低くて、心の奥に響く。
彼の目が暗がりの中で光っていた。
優しさと、少年のような不安、そして──
隠しきれない男としての衝動。
「……やっと、俺の番だと思ってた」
(そんなふうに言われたら……)
私は息を呑んで、小さく頷いた。
その瞬間、勇くんの指が私の鎖骨をなぞるように滑ってゆく。
そこから胸へ、そしてお腹へ──
敏感になっていた身体は、びくっと小さく震えてしまう。
「……っ……」
思わず、小さな声が漏れた。
我慢しようとしたのに、喉の奥からこぼれてしまう。
「声、がまんしないで……聞かせて」
彼の囁きは、まるで秘密を共有するみたいに優しくて、
それが余計に、心の奥をくすぐった。
(だめ……そんなの、ずるい……)
彼の動きは、ゆっくり、でも確かに深くなっていく。
最初は探るように、そして次第に自信に変わる動き。
肌が擦れる音、微かに軋むベッドの音。
「……あっ……ふ……」
抑えた声が、唇から漏れてしまう。
息を飲んでも、胸の奥で高鳴る気持ちは隠せなかった。
勇くんの手がそっと私の手を包む。
その温かさが、何よりも安心をくれた。
同時に、胸の奥でせつない波が膨らんでいく。
(勇くん……どうして、こんなに……)
(やさしいの……)
ふたりの想いがぶつかり、重なっていくたび、
夜の闇は深く、やさしく包んでいった。
やがて、熱は静かにひとつの波に溶けてゆく。
深呼吸を交わしながら、ふたりはぴたりと寄り添った。
「……眠い?」
「ちょっとだけ……でも、まだ起きてたいの」
彼の胸に耳を寄せると、穏やかな鼓動が心地よくて、
私の中のざわめきも、すーっと静かに落ち着いていく。
(こんな夜が……ずっと続けばいいのに)
外では、また小さな雨が窓を叩いていた。
でももう、怖くはなかった。
彼がそばにいてくれるだけで──

