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わたしの昼下がり
第3章 訪ねてきた男(1)
 でも、いよいよのしかかられてきたときには、押しとどめようとしたのです。一応は…

 『いけません…そんなことは…』

 今にして思えば、一線を超えてしまう言い訳が欲しかったのだと思います。そして△井は、答を示してくれたのでした。

 『満たされていない…でしょう?』

 その一言で、わたしはそのまま床に押し倒されていました。抗う気持ちが起こることもないまま、下着の中に手を入れられてこれ以上なく濡らしているのを確かめられました。△井が下着に指をかけ引きずり下ろします。お尻に引っかかったところで、わたしは腰を浮かせました。

 (このままでいれば、この男が、わたしが心ひそかに、そしてここしばらくずっと求めていたものを与えてくれる…)

 そして『奥さん、ヤリたかったんですよね?』と囁かれながら△井の男根を受け容れたのでした。

 『膣内《なか》で射精《だ》させてもらえるとは思ってませんでしたよ。一応、お伺いしましたよね? 本当に中で出していいんですか、って』

 確かにそうでした。ただ、わたしは膣内で射精されることまで承諾したわけではありませんでした。夫では届かないところまで埋め尽くされたことに戸惑い、そして悦んでいるうちにそのまま…。言い訳に過ぎませんが…。

 『一目見て奥さんとは『オトナのお付き合い』ができると思ったんですよ。思ったとおりでした』

 △井が美味しそうにたばこを吸って煙をふうっ…と吐き出しています。どこまで本当の気持ちかわかりませんし、褒められているのか皮肉られているのかもわかりません。モーションをかけたつもりはありませんでしたが、『一目見た』ときのわたしはさも物欲しそうな貌をしていたのでしょうか。

 それはそうだったかもしれません。わたしの方こそ、いつか男をくわえ込みたいなどと思っていたのですから。もちろん、現実になるとも思ってはいなかったのですが。掲示板のポスターで見たポルノ映画の女優さんの貌を思い出していました。ただ、映画のお話になるくらいのものと。『オトナの付き合い』の意味はわかりませんが、△井のセールスマンとして養った目からの評価なのだとすれば、オンナとしての魅力は少しはあったのだろうと思いました。わたしの願望に過ぎませんけど…。
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