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わたしの昼下がり
第17章 取り込み中(2)
 △井が後ろから突き込んでわたしをアクメさせると、一仕事終えたというようにたばこをふかしています。

 「やっぱり、後ろからというのもいいもんですね。奥さんがシーツをつかんでいるのもよく見える。うれしいものです」

 確かに、両手があったあたりのシーツがしわになっていて恥ずかしくなります。自分では気づかないことがいろいろあるものです。一定の間隔で腰を使われているうちはよいのですが、不意に間隔を崩されたり、抜き挿しの深さを変えられたりすると、息が乱れてしまいます。そして、気が付いてみると、後ろからのときは、アクメさせられてそのまま顔をシーツに押し付けて突っ伏しているということが多いのです。シーツを強くつかんで。

 △井も次は射精するはずです。△井は目を閉じて深く息を吐きながら、自分が射精するときにわたしにとらせる体位を考えているようでした。

 そのとき、インターホンが鳴りました。一瞬、△井と顔を見合わせました。△井が目線で”どうぞ受話器に出てください…”と合図をします。わたしは裸のまま受話器に出ました。

 「どちら様でしょうか?」
 「はじめまして。最新版の百科事典のご案内に参りました」

 若い男の声がしました。

 「いまちょっと…」
 「少しのお時間で構いませんので。百科事典のほかにもいろいろ扱っておりますので是非…」

 △井がニヤッと笑います。

 「奥さん、どうされますか?」
 「どうされますって、そんな…」
 「なにも、その格好でドアを開けろという訳じゃありません。せっかくインターホンもあるんですから、ちょっと話でもしてやったらどうですか。他社とは言え、同業だと思うと、あまり邪険にするのもかわいそうでね…。しかも、歳も若いようだし」

 △井にしては意外なことを言うと思いました。

 「すみません、いまちょっと、出て行けないのですけど…」
 「あ、お取込み中でしたか。申し訳ございません。このまま少しだけお話させていただいてもよろしいでしょうか?」
 「はい…」
 「失礼ですが、お宅様はお子様はいらっしゃいますでしょうか?」
 「ええ。おりますけど…」
 「ありがとうございます。実は本日、百科事典のご案内で回っておりまして、お子様のいらっしゃるご家庭にはぜひこの機会にお揃えいただければと思いまして」
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