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わたしの課外授業
第15章 補習ヘルプ
 「それにしても、城ケ島先生、一コマで三人相手するつもりだったなんてタフですね」
 「まあ、からだの造り的に不可能じゃないから」
 「うらやましいです。城ケ島先生のその腰の強いところ」
 「『歳の割りに』、が抜けてるんじゃない?」
 「またそんな…」

 わたしを弄ぶように切り返してくる城ケ島先生。話題を変えます。

 「”補習”の前に伺っておくことって何かありますか?」
 「基本的に試験前の体調調整だからスッキリしてもらえばいいんだけど、担任には言い出せないこともあるかもしれないわね。よろしく聞いておいて? さて、一乗寺先生には誰と誰を回そうかしらね。任せてもらっていい?」

 生徒との高いコミュニケーション能力に基づいた高水準の体調管理に定評のある城ケ島先生ならではの冗談です。わたしはまだまだ未熟ですが、城ケ島先生からお願いされれば、”補習”の相手がわたしになる生徒も異を唱えることなく納得してくれるでしょう。

 「はい。もちろんです」
 「ありがと。じゃ、〇時目処で。場所が決まったら内線かけるわ。ねえ、終わったら焼き肉でも食べに行かない?」
 「肉食の後に肉食ですか? うれしい。城ケ島先生のおごりですよね?」
 「さすがに今日は割り勘というわけにはいかないわよね」
 「いっぱい食べちゃいますからね」 
 「まかせて。わたしもそのつもり。遅くなってもご主人大丈夫?」
 「城ケ島先生からお誘いいただいたんですもの、異を唱える理由がありません」
 「お口がお上手な一乗寺先生ね。じゃ、悪いけど今日はそういう日ってことで。肉食女子同士ししっかり腹ごしらえするわよ」
 「はい。にんにくたっぷりで。明日もありますけど」
 「今日のうちにいっぱい汗をかいておけば大丈夫よ」

 城ケ島先生がニッと笑い、わたしもニッと笑います。

 「それじゃ、よろしくー」
 「承知しましたー」

 城ケ島先生が手を振りながら自室に戻っていきました。仕事を終えた後のビールと焼き肉は格別。いつも可愛がってくれてありがたくうれしい限り。今からたのしみです。もしかしたら、わざとダブルブッキングしてくれたのかも…なんて思わせてくれる城ケ島先生です。
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