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わたしの課外授業
第15章 補習ヘルプ
授業を終えて準備室で一息ついていると廊下から足音がして扉が開きます。
「一乗寺先生、ごめん! このあと、ちょっとヘルプいいかな?」
城ケ島先生が顔をのぞかせて、両手を合わせる仕草をしています。
「ん? どうしました?」
だいたい事情は分かるのですけど。
「”補習”組んでたんだけど、うっかりしちゃって」
「ダブルブッキングですね?」
試験が近づいてきて生徒から担任への”補習”の要望が増える時期です。
「そうなのよ。時間はずらしてたつもりだったんだけど。ごめんね! 後で埋め合わせするから」
「大丈夫ですよ。お気遣いなく。一コマ、一人ですよね?」
「ああ…、できれば…なんだけど、二人お願いできる? 全部で四人重なっちゃってて」
「四人も重なっちゃったんですか? それはまたたいへんですね…」
「三人は相手するつもりではいるんだけど、先生の顔見たら、よければ二人お願いできたらうれしいかなぁ、って」
城ケ島先生らしいと言えばらしいのですけど、四人が一度にという状況はなかなかありません。今日はわたしも午前中の空き時間に一人ずつで二コマほど”補習”をこなしたところでしたが、そこはお互い様です。
「いいですよ」
「ありがと! 助かるわ!」
城ケ島先生が相好を崩します。
「予定を入れたら、ちゃんと手帳に書いておかないとだめですよ」
一応、苦笑いしてみたりして。
「はいはい。日に日に脳細胞が死滅していってるって実感しているわ」
「またそんな大げさな」
「だって、あんまりほかの先生に迷惑かけられないじゃない?」
”迷惑”をかけられるのはわたしだけ…みたいな表情をつくってみせる城ケ島先生。
「いつでもおっしゃってください。わたしも城ケ島先生にはいつも助けていただいていますし」
「そう言ってくれると思ってお願いしちゃった。わたしのお願い、一乗寺先生は断らないものね」
「”補習”も教師にとって大事な勉強ですから」
「いいわよね、一乗寺先生の歳の割りにその腰の低いところ。若いのに」
「もう、そんな若くもないですよ」
「それもそうね」
『それもそうね』は余計だと思いましたけど、そこが城ケ島先生の憎めないところです。
「一乗寺先生、ごめん! このあと、ちょっとヘルプいいかな?」
城ケ島先生が顔をのぞかせて、両手を合わせる仕草をしています。
「ん? どうしました?」
だいたい事情は分かるのですけど。
「”補習”組んでたんだけど、うっかりしちゃって」
「ダブルブッキングですね?」
試験が近づいてきて生徒から担任への”補習”の要望が増える時期です。
「そうなのよ。時間はずらしてたつもりだったんだけど。ごめんね! 後で埋め合わせするから」
「大丈夫ですよ。お気遣いなく。一コマ、一人ですよね?」
「ああ…、できれば…なんだけど、二人お願いできる? 全部で四人重なっちゃってて」
「四人も重なっちゃったんですか? それはまたたいへんですね…」
「三人は相手するつもりではいるんだけど、先生の顔見たら、よければ二人お願いできたらうれしいかなぁ、って」
城ケ島先生らしいと言えばらしいのですけど、四人が一度にという状況はなかなかありません。今日はわたしも午前中の空き時間に一人ずつで二コマほど”補習”をこなしたところでしたが、そこはお互い様です。
「いいですよ」
「ありがと! 助かるわ!」
城ケ島先生が相好を崩します。
「予定を入れたら、ちゃんと手帳に書いておかないとだめですよ」
一応、苦笑いしてみたりして。
「はいはい。日に日に脳細胞が死滅していってるって実感しているわ」
「またそんな大げさな」
「だって、あんまりほかの先生に迷惑かけられないじゃない?」
”迷惑”をかけられるのはわたしだけ…みたいな表情をつくってみせる城ケ島先生。
「いつでもおっしゃってください。わたしも城ケ島先生にはいつも助けていただいていますし」
「そう言ってくれると思ってお願いしちゃった。わたしのお願い、一乗寺先生は断らないものね」
「”補習”も教師にとって大事な勉強ですから」
「いいわよね、一乗寺先生の歳の割りにその腰の低いところ。若いのに」
「もう、そんな若くもないですよ」
「それもそうね」
『それもそうね』は余計だと思いましたけど、そこが城ケ島先生の憎めないところです。

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