この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
隷婦 狙われた淫らな発情妻・実雅子 ~中出しの快楽に堕ちて~
第31章 初恋

そして、思い余って、わたしは、○○女学院中学の創立記念日に、大阪○○学院中学に押し掛けた。学校の正門の前で、翔太くんが下校するのを待った。母に頼んで買ってもらった可愛い服を着て、5日ほど前にカットに行って、その日も朝から髪をセットして、精一杯、頑張って。
遠目に彼の姿が見えた。高鳴る胸を大きな息で抑えて、視線があった。なのに、彼は視線を逸らして、他の男子と一緒に、わたしの横を通り過ぎた。思わず、
「佐川くん」
と、呼んだ。彼の横にいた男子生徒が、
「おい、呼んでるぞ」
って、言ってくれた。でも、彼の口から洩れた言葉は、
「あんなヤツ、知らないよ」
だった。目の前が真っ暗になった。あの後は覚えていない。どうやって帰ったのか。覚えているのは、自分の部屋のベッドの上。母が夕飯を読んだ声に、
「いらない」
と、答えたことだけ。ち、違う。そう。泣きながら地下鉄に乗って、梅田の地下街を歩いていて、警察官に呼び止められた。たぶん、事件性を疑われたのかもしれなかった。何か聞かれたけど、
「大丈夫です」
と、答えて、阪急梅田駅まで歩いた。あの日の夜。夕飯を食べなかった私は、トートバッグの中にあったパンを食べた。そう、彼と一緒に食べようと、梅田のカスケードで買って、持って行ったパンが、ずっと私のトートバッグに入っていた。
いつもは美味しいパン。大好きな餡子とチーズが挟まったパン。食べながら、泣いた。鼻水が餡子に落ちた。塩味のする餡子を夢中で食べた。
そして、わたしは、彼を忘れることにした。思い出さないように、心に鍵を掛けた。再会した夙川のあの時まで。
遠目に彼の姿が見えた。高鳴る胸を大きな息で抑えて、視線があった。なのに、彼は視線を逸らして、他の男子と一緒に、わたしの横を通り過ぎた。思わず、
「佐川くん」
と、呼んだ。彼の横にいた男子生徒が、
「おい、呼んでるぞ」
って、言ってくれた。でも、彼の口から洩れた言葉は、
「あんなヤツ、知らないよ」
だった。目の前が真っ暗になった。あの後は覚えていない。どうやって帰ったのか。覚えているのは、自分の部屋のベッドの上。母が夕飯を読んだ声に、
「いらない」
と、答えたことだけ。ち、違う。そう。泣きながら地下鉄に乗って、梅田の地下街を歩いていて、警察官に呼び止められた。たぶん、事件性を疑われたのかもしれなかった。何か聞かれたけど、
「大丈夫です」
と、答えて、阪急梅田駅まで歩いた。あの日の夜。夕飯を食べなかった私は、トートバッグの中にあったパンを食べた。そう、彼と一緒に食べようと、梅田のカスケードで買って、持って行ったパンが、ずっと私のトートバッグに入っていた。
いつもは美味しいパン。大好きな餡子とチーズが挟まったパン。食べながら、泣いた。鼻水が餡子に落ちた。塩味のする餡子を夢中で食べた。
そして、わたしは、彼を忘れることにした。思い出さないように、心に鍵を掛けた。再会した夙川のあの時まで。

