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第28章 追跡

「男の人って『中出し』が好きなのよ。避妊具なしでするから、感じるんでしょうね」

と、話すサラン。軽く頷く実雅子。

「ま、女性だって、無しの方が気持ちいいけどね」

と、実雅子に同意を求めるように話すサラン。

「そうなのね。わたしは結婚してから避妊したことがなかったから」

と、話す実雅子。そう、結婚しているわけで、子供も欲しいのだから、避妊はしないのは普通。

　　　　確かに、そうね
　　　　実雅子の場合、そうよね。
　　　　経済的にも潤っているし、
　　　　いつ子供ができても
　　　　大丈夫だものね

と、気が付いて癇に障ったサラン。

　　　　世間は、
　　　　子供を作る前に
　　　　経済的に回っていくか
　　　　検討するのに、
　　　　余裕があると
　　　　そういうことすら
　　　　しないのね

と、面白くなかったサラン。それでも、表情だけは変えずに、

「でも、今はセックスレスなのよね。いくらでも『中出し』できるのに。『生産的じゃない』だったっけ。旦那さん、変わっているんじゃない？普通、実雅子みたいなカラダをしていたら、したくて仕方がないと思うけど・・・。それとも、淡白なのかしら？もしくは・・・」

と、言葉を濁すサラン。そう、濁したのは『不倫』『浮気』という言葉。実雅子には、それがわかった。そして、サランも。

　　　　もしかして、
　　　　今日、こんな時間に
　　　　出かけているって、
　　　　旦那さんの夕食を作る必要が
　　　　なくなったから？
　　　　だとすると、
　　　　マジで不倫？浮気？
　　　　違っても、
　　　　それをゴリ押しして、
　　　　実雅子を旦那以外と
　　　　SEXする方向に
　　　　持って行けるかも。

期待が湧いたサラン。不安が増幅している実雅子。