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第19章 ゴルフ練習場で

それほど早い動きではなく、どちらかと言えば緩慢な動きの実雅子。振り降ろすクラブのインパクトの瞬間にガツンと力を入れていた。まるで、ポルシェ パナメーラの加速のように、その瞬間に加速して動くクラブのヘッド。

ギューン！

そんなイメージでボールが飛んでいく。その力の源は、回転力。クラブを振り下ろす動きと連動して、身体を捻り、限界まで捻り切り、そこから反対方向に一気に捻る。体重移動と、その捻りの反発力をボールに伝えていた。

横で見ていたサラン。実雅子が生物化学専攻なのに、物理が得意だったことを思い出した。サランは、物理が苦手。夫の志温は、機械工学科ということもあって、物理は得意。志温もボールを飛ばすことが得意で、スイングについてサランに説明するが、理解できていなかった。それが、実雅子のスイングを見ていて、志温が言わんとしていたことが、形でわかった。

　　　　凄い。

何が凄いのか、その力をインパクトの際に一気にボールに伝えるための実雅子の一連の回転行動。サランに言わせれば、単なる錘でしかないバストの脂肪。ヒップの脂肪。

それが、身体の動きに追随して、動き、その体重移動で発生する力もクラブのヘッドに乗せて、ボールを前方へ押し出していた。

　　　　大きなバストもヒップも意味があるのね。
　　　　そういえば、女子のプロゴルファーは、大きなバストやヒップが多い。
　　　　パク・インビやユ・ヒョンジュなど。日本でも、不動裕理もそう。

そんなことを思いながら、実雅子のスイングを見ていると、

　　　　バストが揺れ、ヒップが震えるている。
　　　　こんなの見たら、確かに男ならしゃぶり付きたくなるわね。

と、思ったサラン。

　　　　この回転が、ウエストを引き締めていて、
　　　　錘の様な、バストとヒップの動きで生じる回転力を
　　　　ボールにインパクトの瞬間に伝える

わかっていても、バストの動きとヒップの動きが卑猥。100-100の衝撃がボールを遠くへ飛ばすのだけど、しかも、バストもヒップも流れない。脂肪だけではなく、筋肉質な動きにサランには見えた。単に脂肪なら、流れるはずなのに、身体の動きに追随していて流れない。

運動量が多い？自堕落な生活をしていると思っていたのに。