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わたしの放課後
第17章 良妻賢母
「恵子ちゃんはきっといい妻、いい母になれると思うよ」
わたしから体を離すとおじさんが言った。
「それって『良妻賢母』っていうことですか?」
「そう。そのとおり」
おじさんとこんなことをしていても『良妻賢母』になれるのだろうか。別に、そうなるのを諦めてしまっているわけではないけれど。
「なれるのかな…」
「なれるよ。おじさんが保証する」
なぜか言葉に力を籠めるおじさん。
「でも『良妻賢母』って、その…」
「こういうことをしていてもいいのか? ってことだよね」
「はい」
おじさんがわたしが思っていたことに先回りしてくれて、思わず『はい』なんて、わたしもつい力をこめて返事してしまった。
「『良妻賢母』っていうのはね、家事ができるとか、料理が上手とか、それだけじゃない」
わたしは黙って続く言葉を待っている。
「家庭を大事にできる人は、まず自分自身を大事にできる人なんだ。心も体も健やかに保って、人を思いやる余裕を持つ。その土台があって初めて、いい妻にも、いい母にもなれる。だから、自分の心や体と向き合うことも、そのための自己管理も、大切な嗜みの一つなんだよ」
「『嗜み』…ですか」
「そう。『嗜み』。何をするか、ということより、自分とどう向き合うかのほうが大切だけどね」
「向き合う…」
「自分を粗末にしたり、人を傷つけたりするようなことでは駄目だけどね」
「はい…」
「恵子ちゃんは、自分のことも相手のこともちゃんと考えられる。だから、おじさんは大丈夫だと思ってる」
なんだか、おじさんに花嫁修業をつけてもらっているみたい。花嫁修業がどんなものかなんて、本当はよく知らないけれど。
「母も…ですか?」
「そうだね。恵子ちゃんのおかあさんも『良妻賢母』だね。何といっても、恵子ちゃんみたいな素敵な女性を育てたのだから」
母に育てられたと言えばそれはそのとおりではあるけれど…。母が実践していることは本当に『良妻賢母』の嗜みと言えるのだろうか…。
(そういうことじゃなくて…)
わたしが怪訝そうな面持ちをしていたのだろう。
「はは。失礼。おかあさんは、別に家庭を壊そうとしているわけじゃない。人にはいろんな気持ちがある。おかあさんは、ちゃんと自分と向き合って、家庭を守ろうとしている」
わたしから体を離すとおじさんが言った。
「それって『良妻賢母』っていうことですか?」
「そう。そのとおり」
おじさんとこんなことをしていても『良妻賢母』になれるのだろうか。別に、そうなるのを諦めてしまっているわけではないけれど。
「なれるのかな…」
「なれるよ。おじさんが保証する」
なぜか言葉に力を籠めるおじさん。
「でも『良妻賢母』って、その…」
「こういうことをしていてもいいのか? ってことだよね」
「はい」
おじさんがわたしが思っていたことに先回りしてくれて、思わず『はい』なんて、わたしもつい力をこめて返事してしまった。
「『良妻賢母』っていうのはね、家事ができるとか、料理が上手とか、それだけじゃない」
わたしは黙って続く言葉を待っている。
「家庭を大事にできる人は、まず自分自身を大事にできる人なんだ。心も体も健やかに保って、人を思いやる余裕を持つ。その土台があって初めて、いい妻にも、いい母にもなれる。だから、自分の心や体と向き合うことも、そのための自己管理も、大切な嗜みの一つなんだよ」
「『嗜み』…ですか」
「そう。『嗜み』。何をするか、ということより、自分とどう向き合うかのほうが大切だけどね」
「向き合う…」
「自分を粗末にしたり、人を傷つけたりするようなことでは駄目だけどね」
「はい…」
「恵子ちゃんは、自分のことも相手のこともちゃんと考えられる。だから、おじさんは大丈夫だと思ってる」
なんだか、おじさんに花嫁修業をつけてもらっているみたい。花嫁修業がどんなものかなんて、本当はよく知らないけれど。
「母も…ですか?」
「そうだね。恵子ちゃんのおかあさんも『良妻賢母』だね。何といっても、恵子ちゃんみたいな素敵な女性を育てたのだから」
母に育てられたと言えばそれはそのとおりではあるけれど…。母が実践していることは本当に『良妻賢母』の嗜みと言えるのだろうか…。
(そういうことじゃなくて…)
わたしが怪訝そうな面持ちをしていたのだろう。
「はは。失礼。おかあさんは、別に家庭を壊そうとしているわけじゃない。人にはいろんな気持ちがある。おかあさんは、ちゃんと自分と向き合って、家庭を守ろうとしている」

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