この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
わたしの日常
第15章 S川さんたちと再会した日のこと【義父目線】(2)
見たことのないような貌で果てた悦子に戸惑っている私を気遣うかのように、S川さんが言った。S川さんが皮肉を込めたりしている訳ではないことは伝わってきた。それでも、ほとんど動かぬままで、あれほどまでに悦子を果てさせたS川さんを前に、私の口調は言い訳がましくなっていた。
「そのつもりではあったのですが…」
なぜ悦子があれほどまでに乱れたのか…。悦子と接するとき、己の欲を満たすのは二の次にしていたことは確かではあるが、それはただ自己満足に過ぎなかったのか…。
「礼子を見ればわかります。慈しんでいただいたことが。もうすっかり懐いている」
S川さんが礼子さんの方を見て言った。
「ええ。本当に。優しい方でいらっしゃいます」
礼子さんは親しみの込められたような柔和な表情をして微笑んでいる。おそらく礼子さんもS川さんと同様に気遣いのできる人なのだろう。『優しい方』と言われても自分には心当たりがない。それこそ皮肉が込められているのか社交辞令か。私はただ礼子さんに呑み込まれたまま果てただけだったことを恥じた。
そして悦子にも申し訳が立たぬと思った。初めてS川さんと交わってなかば気を喪っている悦子を気遣うことも忘れ、S川さんの男根を己のそれと比べて安堵していたりしていたのだから。
悦子は、家に向かう汽車の中で、私の隣で寝息を立てている。まぐわった後にまどろむときと同じ静かな寝息だ。これまでは、私に女としての悦びを満足に与えられての満ち足りたまどろみだと思っていた。ただ、今日は違う。S川さんに存分に与えられた悦びに浸っているのだ。
礼子さんは私を『優しい方』と言ってくれたが、悦子はS川さんを『どのような方』と言い表すのだろうか。最大限の”賛辞”をされても仕方がないと思った。家に帰っても、悦子はこれまで通り、私とまぐわってくれるだろうか。礼子さんにしても私とのまぐわいで満ち足りたのだろうか。『優しい』という言葉が、空虚なものに思え始めた。
千々に乱れる思いの中で、汽車が下りる駅に近付いた。
「もっと…」
思わず悦子の顔を覗き込んだ。悦子は眠ったままだ。悦子に淫夢を見させるほどに、S川さんとのまぐわいが悦子に刻み込まれたとは。
「もっと…お義父さま…」
(悦子…)
私は不覚にも目頭が熱くなるのを感じた。
「そのつもりではあったのですが…」
なぜ悦子があれほどまでに乱れたのか…。悦子と接するとき、己の欲を満たすのは二の次にしていたことは確かではあるが、それはただ自己満足に過ぎなかったのか…。
「礼子を見ればわかります。慈しんでいただいたことが。もうすっかり懐いている」
S川さんが礼子さんの方を見て言った。
「ええ。本当に。優しい方でいらっしゃいます」
礼子さんは親しみの込められたような柔和な表情をして微笑んでいる。おそらく礼子さんもS川さんと同様に気遣いのできる人なのだろう。『優しい方』と言われても自分には心当たりがない。それこそ皮肉が込められているのか社交辞令か。私はただ礼子さんに呑み込まれたまま果てただけだったことを恥じた。
そして悦子にも申し訳が立たぬと思った。初めてS川さんと交わってなかば気を喪っている悦子を気遣うことも忘れ、S川さんの男根を己のそれと比べて安堵していたりしていたのだから。
悦子は、家に向かう汽車の中で、私の隣で寝息を立てている。まぐわった後にまどろむときと同じ静かな寝息だ。これまでは、私に女としての悦びを満足に与えられての満ち足りたまどろみだと思っていた。ただ、今日は違う。S川さんに存分に与えられた悦びに浸っているのだ。
礼子さんは私を『優しい方』と言ってくれたが、悦子はS川さんを『どのような方』と言い表すのだろうか。最大限の”賛辞”をされても仕方がないと思った。家に帰っても、悦子はこれまで通り、私とまぐわってくれるだろうか。礼子さんにしても私とのまぐわいで満ち足りたのだろうか。『優しい』という言葉が、空虚なものに思え始めた。
千々に乱れる思いの中で、汽車が下りる駅に近付いた。
「もっと…」
思わず悦子の顔を覗き込んだ。悦子は眠ったままだ。悦子に淫夢を見させるほどに、S川さんとのまぐわいが悦子に刻み込まれたとは。
「もっと…お義父さま…」
(悦子…)
私は不覚にも目頭が熱くなるのを感じた。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


