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心の中のガラスは砕けて散った
第10章 奈緒
設営の段取りが終り、現場に安堵の空気が流れ
明日から本格的に始まる 慌ただしい一日が終わり
悠希は今夜から泊まる ビジネスホテルに向かう、
同僚の車の窓から 暮れ始めた、夕日を照らす
ビルを見ていた

瞳に映るビルの夕日、悠希の心は社長の
部屋を思い浮かべ、腕時計に視線を
何度も這わせる

今頃・・・奈緒は社長の自宅へ
向かっている頃・・・・
騒めく心を乗せて、車はホテルに向かう

同僚が ハンドルを握った片手を 外し
軽く飲む動作で誘ってくる、
ホテルの部屋で、悶々とするよりは
悠希は笑顔を見せ頷き、また ビルを彩る
オレンジの光りに視線を送った

チェックインを終わらせ、ロビーに
腕時計を何度も見てしまう、今頃
社長の自宅に着いた時間、社長は
乱暴な事はしないから、安心しろと
悠希に約束してくれた、信用はしている
それでも 暗い想像が頭を埋めて来る
あの大きな家に 大柄な男が二人と奈緒
どれだけ大きな声を出しても、
助けに駆け付ける者の無い家

社長の家のリビングが浮かんで来る
陽が暮れ 大きな窓が鏡の様に
リビングを映し リビングの床に
押し倒され横たわる奈緒 大柄な結城が
両の手を押さえ付け 顏を振り乱し
泣いて暴れる奈緒の姿
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