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心の中のガラスは砕けて散った
第10章 奈緒
奈緒が浴室に消え、シャワーの音が聞こえて来る
悠希は机の中の薬袋から 一つを取り出し
冷蔵庫を開け、ガラスポットの蓋を開け
自室から持ってきた 薬包紙を開く
白い紙の上 白い粉が明かりに浮かび、
悠希は 薬包紙を見続け、

・・・今なら、辞められる・・・

邪な心が、悠希を押して来る 躊躇する心
相反する心の葛藤は、浴室から聞こえる
シャワーの音が消えた時、薬包紙の中身を
水だしジャスミンティーの中へと
落とし込み、冷蔵庫にポットを仕舞い
後悔の念と、自分の知らない妻の姿を
見る喜びに震えていた、

木曜夜、

「 葛城さんが 二人で飲んでと呉れた紅茶 
  たまには、僕が入れるね 」

キッチンに立つ悠希は、お湯を沸かし
二人で揃えたティーカップを並べ
奈緒のティーカップに薬を入れ
紅茶を注いだ

「 おまたせ! 」

奈緒の前にティーカップを置き、一口含んだ
顔に笑顔が広がり

「 美味しい! 」

悠希が笑顔で返し 

「 明日から 3日間 葛城さんの設営だから
  月曜 何時も通り帰って来る、それと
  また、この書類楠社長の処へ、お願い 」


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