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心の中のガラスは砕けて散った
第10章 奈緒
悠希は頭に浮かぶ姿を、振り払い奈緒に
笑顔を向けた

「 明日仕事が終ったら、届けて来るね 」

大きな目が愛おしそうに、悠希を見つめて来る
今月末、奈緒が社長に・・・・ 
後悔の念が湧き起こって来る、

止めるなら・・・辞めるなら・・・今!・今!!・・・
頭の中の囁きを振り解き 笑顔を見せ

「 頼むね!! 」

微笑んだ

翌日 仕事を終え 封筒を抱え社長の自宅に 
タクシーで向かった 二度目のタクシーから見る景色
住宅地を抜け、大きな塀に囲われた外玄関の前で、
タクシーは止まる

「 運転手さんこのまま 待って居て頂けます? 」

奈緒は 開けられたドアから降り
運転手に声を掛け 玄関横の呼び鈴を押した

「 はい!! 」

太い声が 応答してくる

「 岡田ですが 社長にお届け物を 」

インターホンの向こうで話声が聞こえ

ーー カチャ ーー

鍵が外された音を聞いて、大きな扉を押し中へ
20メートル先の 社長の自宅の玄関が見え 
玄関が開き、白いシャツにグレーのスラックス
体形の良い男が 奈緒に向かい歩いて来る

レストランで挨拶を交わした男性
向かってくる男性を見て 奈緒は思い出し
玄関に向かった 玄関と扉の中間で向かい合い 
立ち止まり 社長を見上げ 抱えた封筒を、
差し出した

「 お世話に成ります、岡田の家内です 」

笑顔を浮かべた社長が見下ろして

「 助かります ご苦労様 お茶でもいかがです? 」

奈緒は躊躇して、笑顔を見せ

「 タクシーを待たせているので 」

頷いた社長が外玄関へ歩き始め、奈緒も横を着い行く

「 ご主人には お世話に成ってね、 」

バリトンボイスの声が頭の上から
奈緒は社長を見上げ、少し嬉しそうに
微笑んだ、外扉を社長の手が開き
奈緒は会釈をして、タクシーに
走り出す車を、社長は扉の中 見送っていた
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